ニューラルオートメーション

新たなゲームチェンジャー
インテリジェンスを備えたニューラルオートメーション

デジタル時代においてビジネスで成功を確実なものとするには、スピードと俊敏性の向上が今まで以上に重要な要素となっています。多くの企業のIT部門では、サイロ化されたチームがそれぞれの業務を担当する形で機能しています。しかし、技術が進化してシステムが処理するデータ量が増大し、アプリケーションやビジネスプロセスがより複雑になったことで、従来のようなITの活用や運用方法では不十分になってきています。透明性の欠如や複数のワークフローの併用、承認プロセスの遅延といった問題が生じ、IT機能を停滞させる原因となっているほか、システムの障害や不適切な技術構成、人的ミスによる運用リスクの増大にもつながっています。

こうした複雑な環境下で、ITの自動的な活用・運用の必要性が高まっています。ITはこれまでもビジネスプロセスの自動化に大きな役割を果たしてきました。しかし、従来型の活用・運用は、いまだにプロセスの多くを人の手に頼っています。いわゆる経験知、つまり現場の担当者が体得した知識や経験、勘などに依存した属人的なケースが多く見られるのが現状です。また、せっかく自動化を導入しても、それが部分的でプロセス全体との連携を欠く場合は、メリットを十分に引き出すことは難しいでしょう。

このため必要とされているのが、変化や多様性、高度に複雑な環境に自動的に対応できる新たな技術や商品です。そこでタタコンサルタンシーサービシズ(TCS)では、テクノロジーとビジネス運営の再構築を支援し、よりインテリジェントな自動化へのアプローチとして「ニューラルオートメーションプラットフォーム」に取り組んでいます。ほかにはない新たな価値を提供できる取り組みとして、さまざまな業種・業界のお客様から注目されています。


ITシステムは人の脳の代わりになれるか

ニューラルオートメーションは、人の脳機能を模して、学習能力や問題解決能力を持たせたシステムによりプロセスを自動化する新しい手法です。このシステムは人の脳に近い形で知覚し、考え、最適な行動を選択する能力を習得していきます。データを収集し、分析して判断を下し、その企業特有の環境を理解してシステム自らが改善や最適化を図るのです。このような高度なシステムは多くの場合、次のような特徴を備えています。

Connectivity 企業内に多数存在するデータソースからデータを収集・理解し、その企業固有の環境を文脈的に理解する能力。
Adaptability ツールやシステムの標準化や変更を必要とすることなく、既存の企業環境とつながり、それに適応する能力。
Intelligence 複雑な活動をシンプルなタスクに分解し、「一つ一つのタスクをこなす」「それらを適切な形に組み立てる」をリアルタイムで行う能力。状況の認知が可能なため、緊急事態の展開を予測し事前対策を取ることもできる。理想は人間の脳のような働きをすること。
Resilience 変化や不具合に適応して、自らを再構成する能力。

自動化されたシステムが多様な業務を高度に代行する

ニューラルオートメーションをシステムに導入することで、プラットフォームは目覚ましい進化を遂げます。システム運用やビジネスプロセスは、各種機能と連携しながら自動化します。また、複数のネットワークアダプターを介し、従来は検証・調整に大きな手間を要した既存の技術・ツール環境との連携もシームレスに実現します。このほかにもシステムは次のような機能を備え、自己学習しながら進化していくのです。

  • 現在のITインフラやシステム運用を分析し、目指すべき全体像を提示
  • ルーティンの管理業務の実行示
  • インシデント発生時のトリアージ(対応の優先順位の判断)と復旧
  • ビジネスプロセスに対応したシステムが整備されているかを診断
  • ルールやセキュリティーの順守状況を検証

進化したシステムは、ネットワークやデータベース、アプリケーション、サーバーを把握し、相互に連携したり、ITシステム内のストレスポイントを見つけたりすることが可能になります。優れた技術者のように点と点を結び、パターンを認識して問題を診断し、解決策を提案します。


インテリジェント・オートメーションが業務を飛躍的に効率化

このように、ニューラルオートメーションシステムはこれまで人の手で行ってきた業務をインテリジェントに自動化し、企業のITやその運用に掛かる総コストを削減します。運用リスクを検知・予測・予防することで、システム自らが変化を促進し、組織の弾力性を高める効果が期待できます。また、時間や場所、使用する機器を問わず、ユーザー一人一人に最適化されたエクスペリエンスを提供します。

このシステムを導入することで、ビジネスには表のような効果が期待できます。また、具体的な活用例の一部もご紹介します。


活用シナリオ①―小売店舗のシステム不具合を解決

小売店舗におけるシステムトラブルは、日常的に起こり得る悩ましい問題です。例えば販売システムが停止してしまえば、その期間の販売機会は失われ、待たされる顧客の印象も悪化しかねません。しかし、各店舗に復旧に適切に対応できる人員を配置しているケースは少なく、多くは本社などと連絡を取って復旧に取り組むことになるでしょう。

そこにインテリジェントなニューラルオートメーションシステムを導入しているなら、システムに精通した人員が現場にいなくても、スムーズに問題解決できるようになります。販売システムの停止のようなトラブル対応をはじめ、ニューラルオートメーションシステムは小売店舗の多様なミッションをスムーズに代行します。


活用シナリオ②―新入社員の受け入れに要する時間の短縮

社員の管理・手続きは、多くの企業で人の手で行われている業務です。例えば新規採用者や新規契約社員の受け入れ手続きであれば、3~4日ほどかかるのが一般的でしょう。しかし、顧客の需要のピークや季節的変動に合わせて新たな人員を採用することの多い小売業では、この所要時間が足かせになってしまいます。

そこでニューラルオートメーションシステムを活用すると、受け入れ準備のプロセスをスピードアップし、新メンバーが初日から稼働できるようになります。


人の創造性と企業価値の向上を促すニューラルオートメーション

ニューラルオートメーションシステムは、産業と技術を中心とした「Service-to-Software」モデルです。SaaSのように人間がつくったソフトウエアをサービスとして利用するのとは根本的に異なり、ニューラルオートメーションを通じて企業に必要なサービスがソフトウエアとして自動生成されていくのです。

TCSは、人間中心から技術中心のモデルへと移行することにより、ITサービスの提供の在り方をリイマジンする(新たに”想造”する)道筋を示します。意思決定を促進する上で、また社員の創造性や創意工夫をより付加価値の高い複雑な業務に集中させる上で大きな役割を果たし、企業の価値を向上します。高いスキルを持つ人的リソースがルーティン業務から解放され、本業に注力できるようになるのです。そして重要なことは、人の知能とクリエイティビティが解放され、「より良くやり遂げる」から「より良いことを成し遂げる」へと転換することです。



TCSのニューラルオートメーションignio(TM)について

ignio(TM)は、世界で初めての企業向けニューラルオートメーションシステムです。企業のIT運用やプロセスを自動化、最適化することにより、俊敏性を高め、業務リスクを低減し、ユーザーエクスペリエンスを向上させます。人間の神経系のように、企業に代わって「知覚する」「考える」「行動する」を統合的に行う能力を備えています。ignio(TM)は「目には見えない、常に進化し続けるインテリジェンス」であり、変革を後押しします。より詳細な情報についてはwww.digitate.com(英語のみ)をご覧ください。



Dr. Harrick Vin

タタコンサルタンシーサービシズ 副社長


米国テキサス大学オースティン校でコンピュータサイエンスの教授として15年間教鞭を取った後、TCSに入社。TCSには10年在籍し、これまでにITインフラサービス部門のイノベーションおよび変革担当のGlobal Head やTata Research Development and Design Centre (TRDDC)のChief Scientistなどを歴任。現在は、TCSのニューラルオートメーションignio(TM)を手掛ける事業ユニットDigitateのGlobal Headを務める。この25年間にコンピュータの複数の分野で数々の革新的なソリューションを開発しており、1999~2004年の間にベンチャーキャピタルの資金提供を受け、米国で三つのベンチャー事業も立ち上げている。また、国際的な有力専門誌や主要な会議で150を超える技術論文を発表している。

※掲載内容は2016年5月時点のものです