株式会社ローソン様

 

インターネット接続基盤サービスプロジェクト


多様化するワークスタイルに対応した
セキュアなインターネット基盤を構築

プロフィール

設立:1975年
資本金:585億664万4千円
本社所在地:東京都品川区
事業内容:コンビニエンスストア「ローソン」のフランチャイズチェーン展開

http://www.lawson.co.jp/

国内全都道府県に1万店舗以上をフランチャイズチェーン展開するほか、中国、インドネシア、ハワイにも出店する「株式会社ローソン」(以下、ローソン)様では、2012年、社内ネットワークの全面見直しの一環として、インターネット接続基盤の刷新を行いました。当社は、これまでのインフラ構築やシステム運用などによる経験や実績を基に、ユーザビリティとセキュリティを両立させるソリューションを提案し、プロジェクトを支援しました。

劇的に変化していく業務スタイルに対応するインターネット接続基盤を目指す

2011年11月、次年度のIT戦略・方針を検討していたローソン様では、社内ネットワーク全般の見直しを決定し、その一環として、インターネット接続基盤の刷新も行うこととしました。技術的基盤のみならず、ルールやガイドも含めてプラットフォームの見直しが必要と判断されました。

「インターネット基盤は、ここ数年間で飛躍的にイノベーションが進行した分野です。大きく変わりつつあるワークスタイルに対応するとともに、高度なセキュリティ対策も必要となるなど、時代に合わせた新たな取り組みが求められていました」と語るのは、当プロジェクトの責任者を務めた、ITステーション システム基盤 部長の髙原 理彦様です。

既存のインターネット接続基盤が構築された2008年当時、既にインターネットの社会的浸透は進んでいましたが、企業の情報システムにおいては、社内のPCから社内のリソースにアクセスすることが前提となっていました。しかしITの進化とともに、インターネット上の情報を業務に積極的に活用したり、クラウドサービスやSNSのビジネス利用などにより、情報をシェアして業務を進める手法が広がりました。さらにモバイルデバイスの急速な普及に伴い、場所や時間を選ばないワークスタイルが広まるなど、ビジネスとインターネットの関連性は、ここ数年で一変しています。今回のプロジェクトでは、このような現状に対応したインターネット基盤の構築を目指しました。

2012年の2月には社内ネットワークの見直し全般の計画が決まり、いくつかのプロジェクトが順次実行に移される中、「インターネット接続基盤プロジェクト」のスタートを9月に設定。そのITパートナーとして、8月に当社が選定されました。

プロジェクトには、2008年から出向や業務支援での常駐という形で、ローソン様と日々密にコミュニケーションを取っていた担当者が、当社側の責任者として参加。
「長い間一緒に仕事をしている仲間だけに、課題も共有できていて、当社がやりたいことをしっかり把握してくれていました。スケジュールやコストも含め、具体性・現実性のある提案内容だったことが選定の理由です」(髙原様)

ユーザビリティとセキュリティのバランス

当プロジェクトが目指すところは、インターネット接続のスピードとパフォーマンスの向上です。そのためにポイントとなるのはプロキシサーバーの扱いでした。

「クラウドサービスの利用などによって、通信セッションが増大するという状況に変わってきました。これまでのように、すべての通信がプロキシを通してやり取りされていては効率が良くありません。そこで、検査やキャッシュが必要ない通信に関しては、プロキシを通さない仕組みの提案を、RFPにも織り込みました」と、ITステーション システム基盤 マネジャーの八並 朋之様は語ります。
しかし、サイバー攻撃の脅威などが高まる現状においては、確実なセキュリティ対策も同時に考えなくてはなりません。
「ユーザビリティとセキュリティという、言わばトレードオフの状態にある2つの課題のバランスをどう取るかということが、このプロジェクトの難しいポイントでした」(八並様)

この課題について、当社はPACファイル※を使いクライアント側に処理を分散させる対応策を提案しました。この手法は既に当社で事例もあり、細かな検証も行った確実性の高い手法でした。これにより、プロキシサーバーを必ず通過していた通信の中から、Web会議システムや負荷の高いクラウド通信などを迂回させる設計で、関係会社や店舗社員へも広く開放できる強固な基盤になりました。

※PACファイル(proxy auto configuration file): Webブラウザなどのクライアントアプリケーションにプロキシサーバーを自動設定するためのファイル

ローソン様では、システムの刷新と同時に、ルールやガイドも時代に適応するよう、さまざまな見直しが行われました。社内から閲覧できるサイトも大幅に拡張し、SNSも利用できるようにしました。一方、レポートの自動生成という新たな機能により、ユーザーの利用状況が可視化されたので、過剰な利用に関して注意喚起を促すことができる仕組みも整いました。

「取引先や教育機関などとのコラボレーションが必要な局面も増えてきた現在、SNSを利用できないのは非常に不便だという声が、ユーザーから寄せられていました。ルールやガイドはもちろん当社が考え、決定しますが、御社からは、それらが可能な機器や仕組みを適切に提案してもらいました。結果として、コミュニケーション手法の変化を見据えた、ユーザビリティが高くフレキシブルなプラットフォームができ上がったと思います」(八並様)

ネットワーク概要図

ユーザーに気付かれることなくリプレースを完了させる

プロジェクトは9月初めにキックオフ。12月には新旧システムを並行して稼働させ、年初に運用が開始されました。実質3カ月という集中的なスケジュールでしたが、特にトラブルに見舞われることもなく、スムーズに進行しました。また、お客様環境に設置するインフラ設備を、当社のデータセンターからリモートでシステム運用・監視することにより、価格競争力のあるサービスを実現しました。「いくつかのトラブルは起こるかもしれないと覚悟していましたが、驚くほど何もなく切り替えられました」と髙原様。今回のプロジェクトでは、昔の設計思想がそのまま残っていて長い間課題になっていた部分なども含め、刷新する点がかなりあったと言います。なぜこういう仕組みになっているのか、説明できる人が、社内にもベンダーにも既にいないことも多く、情報の共有が難しいと感じていらっしゃいました。

「課題が発生したときの検討から解決に至るレスポンスが非常に良かったことが、プロジェクトのスムーズな進行につながりました」と語るのは八並様。

1月に無事サービスインを果たしましたが、その後ユーザーからの問い合わせやクレームなど、一切声が上がってこないところが成功の証と八並様は強調します。

「今回のプロジェクトは、ユーザーに一切気付かれないように切り替えを終了させることがポイントでした。使用感を変えることなくユーザーのストレスを減らし、『そう言えば速くなっている』『使用時のトラブルが減ったみたい』と思わせることができたと思います」(八並様)

当プロジェクトでは、クライアント側の設定も、Microsoftの自動配付機能を使い、ユーザーの手を煩わすことなく変更作業を行いましたが、適用率をいかに100%に近づけるかということに気を遣い、何度も検証を繰り返したと言います。また、同じプラットフォームを使う関係会社様では、ローソン様と細かな設定が違うことから、かなり前の段階から社内文書を配付するなど、特別注意を払ってスムーズな切り替えに備えました。

プロジェクトスケジュール


日常業務で構築した信頼関係がプロジェクト成功のカギ

「今回のプロジェクトは、お互いの関係がしっかり構築されていた中で進行でき、短期間で予定通り移行を完了することができました」と、髙原様は普段からの信頼関係の重要性を強調します。また、八並様も、営業と中継役、現場のメンバーが情報を共有し、常にひとつのチームとして動くことができたと実感しています。
「多くの人が関わるプロジェクトでは、ある情報について、『この人は知っているけれどこの人は知らない』ということが珍しくありません。このプロジェクトでは、それがまったくと言っていいほどなかった。情報の共有も統制も、よく取れていたと感じています」(八並様)

しかし、システムはリリースされた瞬間から陳腐化が始まる運命にあります。運用開始後から、当社による稼働後フォローは始まりましたが、「『現状良し』はあり得ない世界。まだまだやりたいこと、やらなければいけないことはたくさんあります。特にITインフラにおいては、技術の変化が加速していますので、さらに新技術の適応ピッチを上げてITを活用したイノベーションを牽引していかなければならないと強く感じています」(髙原様)

「社内システム部門のバリューは、いかに仕事を変え、会社を変えられるかにあると思います。ツールですべてが変わるわけではありませんが、そのトリガーとはなり得ます」(八並様)

こうしたシステム部門の会社への貢献の気持ちを共有してもらい、ベンダーフリーである強みを発揮し、時代を反映したさまざまな提案を先回りして行ってほしいと、お二人は声をそろえます。

当プロジェクトではお客様と一緒に課題解決に向かう姿勢を高くご評価いただきました。「その姿勢をさらに深め、『当社にもっと近づいたパートナー』として機能することを望んでいます」(髙原様)

当社では、ローソン様のシステム基盤を支えるパートナーとして、時代の変化にいち早く対応したご提案を、今後も続けていきます。

お客様と一緒に課題に立ち向かう関係がスムーズなプロジェクト進行を生み出した

ローソン様の社内で、お客様と共に仕事をする私にとっては、当社側とローソン様側の両面からプロジェクトを進行させるというスタンスが、一番のポイントと考えていました。お客様が何に困っていて、どうしたいと思っているのかもよくわかっていましたし、これをするためには、どのタイミングで何をしておかなくてはならないのかということも把握しています。言われて動くのではなく、常に先回りして情報のやり取りを行うよう意識していました。

ローソン様は、私のように業務支援で常駐するメンバーを大切にし、チャンスを与えてくださいます。その気持ちに応えたい一心で、当社のメンバーにはずいぶん無理も言ってしまいましたが、皆、前向きにとらえて対応してくれました。また、ローソン様も、発生した課題に対して責任を押し付けるのではなく、当社の状況も考慮しながら一緒に対策を考えてくださいました。こうした素晴らしい関係により、プロジェクトの成功がもたらされたと、深く感謝しています。

このプロジェクトによって、当社のインフラ技術力に加え、企画から運用までを含めたトータルソリューションを高く評価いただくことができたと感じています。

システムグループインフラ構築ユニット 市ノ川 直樹


※掲載内容は2013年7月時点のものです

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