三菱商事ユニメタルズ株式会社様

 
三菱商事ユニメタルズ株式会社様は2013年4月より三菱商事RtMジャパン株式会社様に社名変更されていますが、本事例は社名変更前に作成されたものであり、旧社名である三菱商事ユニメタルズ株式会社様と表記しております。

店舗資材取引システム再構築プロジェクト


BPMにより業務プロセスを徹底分析し
短期間で店舗資材取引システムの再構築に成功

プロフィール

設立:1947年
資本金:31億4,306万2,500円
本社所在地:東京都千代田区
事業内容:非鉄金属を中心とする製品・地金・原料を総合的に取り扱う金属専門商社
http://www.mitsubishicorprtm.com/

三菱商事ユニメタルズ株式会社(以下、三菱商事ユニメタルズ)様は、主に非鉄金属事業の川中・川下分野における中核企業として、 製品・地金・原料を総合的に取り扱う金属専門商社です。三菱商事の非鉄関連子会社の統合により2010年4月から新体制となり、国内外の自動車部品メーカーのグローバル化、およびグローバル化する金属原料の流通・物流に対応するとともに、安定的で競争力のある地金を供給しています。今回刷新を行ったのは、建材/店舗資材を対象とした「店舗資材取引システム」。業務プロセスを含めた改革を短期間で成功させたプロジェクトに対して、当社はビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)とMicrosoft Dynamics AX(AX)をベースとしたシステムの導入フェーズにおいて総合的にご支援しました。

属人的な業務知識・ノウハウに頼った業務プロセスの課題を浮き彫りにする

三菱商事ユニメタルズ様は全国展開のコンビニエンスストア(CVS)や外食産業向けの建材/店舗資材を取り扱っており、全国に散在する約700社の施工業者に納入しています。通常のオペレーションでは各施工業者からの受注を受け、約50社にわたる資材メーカーに発注を行いますが、新設や改装のペースが速いCVS店舗においては、工事に間に合わせるために、あらかじめ配送センターに保管しておいた部材を納入したり、メーカーから施工業者に直送する手法を必要に応じて併用しています。

こうしたプロセスにおいて「同業務における情報管理の煩雑さが、業務量の増加に伴い、改善すべき課題として表面化してきた」とCIO 情報システム室長の大三川越朗様は語ります。

納期や配送センターの在庫量によって資材発注の方法を判断しなければいけないこと。また、在庫量に関しても、お客様の予定を確認しながら常に管理しておく必要があるとともに、中小企業が多い施工業者の与信管理や代金回収にも大変な手間がかかっていました。これらの課題に対し、従来のシステムでは、担当者の属人的な知識やノウハウに頼る部分が多く、人海戦術での対応も限界に来ていたと言います。

このような状況を背景にして、2011年2月、業務プロセス改革プロジェクトがスタートしました。本来であれば、現状の業務に適したシステムの構築を急ぎたいところですが、その前段として業務プロセスの可視化からしっかり行い、システム刷新のポイントを洗い出したことが、本プロジェクトの大きな特徴です。

最初に行ったのは、業務プロセスの徹底的な調査です。主にベテラン社員と業務管理者に対し、週に1~2回、1回約2時間のインタビューを実施。取引先との取り決めに関することや実際の店舗施工の進み方など、ビジネスそのものに関することから、対象システム以外のシステムで行っている業務も含め幅広く話を聞きました。
このような作業は、1年ほど前から、情報システム室が中心となり、他部門の業務プロセス改革支援策の一環として行われ、ある程度社内に浸透しつつありました。また、情報システム室のメンバーも、「業務の改善支援活動をする」という自らの役割に自信を持ち始めていたと言います。

こうして集められた調査結果は、当社のコンサルティング担当者も参加したチームにより可視化、分析が行われ、A3用紙で約17枚もの業務フロー図にまとめられました。これにより、社内管理部門などの関係者との間でも現状と問題を共有できるレベルで、業務プロセスの把握・理解が可能となり、議論の場につく用意ができたわけです。

システムの対象取引と業務


パッケージシステムを新規導入 今後の業務展開も視野に入れた決定

2カ月にわたる業務プロセスの可視化作業により、業務プロセスにおけるITのポジション、FAXやメールによる情報量、資材調達に必要なリードタイムや変更頻度、短納期オーダーの量、時期による業務量の増減などが明確になってきました。

これらの現状を踏まえた上で、課題を解決できる新たな業務フローの検討が行われ、4月からは具体的な業務プロセスの設計を開始。ITでカバーできる部分とカバーできない部分をはっきりと切り分けた上でシステム構築に着手しました。

そこで当社が提案したのは、AXというパッケージシステムの導入でした。自社専用のシステム開発に慣れていた三菱商事ユニメタルズ様にとっては、チャレンジングな選択でしたが、他業務への展開も視野に入れ、拡張性の高い同提案が採用されました。

厳しいスケジュールを乗り越え高パフォーマンスのシステム導入に成功

既存システムの導入から携わってきた金属製品本部店舗資材ビジネスユニット 次長の鈴木聡様にとって、最大の不安材料は、要件定義と導入フェーズを合わせて約6カ月という非常にタイトなスケジュールでした。「打ち合わせでユーザー部門として決定しなくてはならない事項がある場合、日を改めて回答するという余裕がありませんから、その場で即断即答。緊張の日々が続きました」と当時を振り返ります。しかし、AXの採用により、プログラムレスで表示できるプロトタイプ画面を利用した効率的カスタマイズが可能となり、画面イメージを確認しながらプロジェクトを進めることができたと言います。

実際にシステムを利用するユーザー代表としてプロジェクトに関わった同ユニットの添田真理子様は、要件定義スタート当初は、複雑なプロセスを含む業務に対する理解と、パッケージシステムという初めての手法に対する心配があったことを明かします。しかし、プロジェクトの進行に伴って相互理解も深まり、最終的には業務改善に役立つシステムが出来上がったと語ります。

「従来は何日もかかっていたような作業でも、新システムならば数時間でできることもありますし、一つの画面で必要な業務が完結するのも、ヒューマンエラーの削減に役立っていると思います」

ただし、実際に稼働してこそ初めて気が付く部分もあり、今後のきめ細かなフォローアップにも期待していると語ります。

厳しいスケジュールと予算をクリアした上で、高いパフォーマンスを実現したことを、情報システム室 課長の山本雅之様は非常に高く評価しています。

「導入6カ月後に行ったユーザーアンケート結果でも、システムに対する満足度はとても高いです。業務プロセスに関する事前のインタビューにおいて浮き彫りにされた問題点に関しては、ほぼ解決されたという認識です。また今回は、システム導入とともに前段としての業務プロセスの可視化ができたことも、他業務への展開という意味も含め、当社にとって大きなメリットになると思います」

スケジュール/コスト面で有効だった統合プラットフォームの活用

今回の新システム導入に関するもう一つのポイントは、当社が提供する、グループ企業向けの統合プラットフォームを活用したことにあります。これは、当社データセンターで統合的に運用するサーバー機能を、仮想化およびクラウド技術によりグループ各社で利用できるサービスであり、これにより、短期間でのハードウエア手配が可能になり、コスト面でのメリットも大きかったということです。また、運用面での安定感、ユーザー側の運用負荷低減および老朽化への対応不要というメリットもあります。

「システム導入プロジェクトではハードウエアや運用に関する検討時間が十分とれないことも多いのですが、その点でも満足する内容となりました。今後、他業務に関わるシステムの再構築も推進していきます。その際にも、今回同様に、業務プロセス・手法・環境を優先的に考え、プロジェクトを進めていきたいと考えています」(大三川様)

スケジュールと当社支援内容


相互理解がプロジェクト成功のカギ

当プロジェクトの最大の難関はスケジュールでした。これをクリアできたのは、お客様の積極的なプロジェクト参加によるところが大きかったと思います。当社のAXメンバーは、BPMの結果をよく読み込み、お客様の業務を理解するよう努めた一方、お客様もトレーニングを通じて、AXのコンセプトや機能を理解していただき、早い段階から共通の用語でミーティングできたことが、成功要因の1つであったと感じています。また、各ミーティングの最後に、決定事項や課題、ToDoのメモをスクリーンに投影して、その場で確認し合ったことが、誤認識を防ぎ効率的なプロジェクトの進行につながったと思います。

当社は、AXの国内リリース以前から、他社に先駆けて機能検証を行い、日本の商習慣に合わせたテンプレートを開発してきました。これらのテンプレートを活用し、さまざまな業種のお客様に展開していきたいと考えています。

さらに、海外拠点へのニーズも年々高まってきているため、グローバル展開についても積極的にアプローチしていきたいと思います。

技術本部 アプリケーションユニット オープンソリューション部 チーム長 小野 和幸



※掲載内容は2013年1月時点のものです

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