オプテックス株式会社様

 

海外販社システム刷新プロジェクト


グループとしてのコアテンプレートを定義・構築し
海外販売子会社へシステムを展開することで業務効率の向上を実現

プロフィール

設立:1979年
資本金:27億9,827万円
本社所在地:滋賀県大津市
事業内容:防犯用センサー・システムを提供するセキュリティ事業、自動ドア用センサーや出入り管理システムを提供するエントランス事業、工場の生産ラインの品質管理に役立つ産業機器事業、水の透明度や温度を計測する計測機器事業、安全運転を促進する交通関連事業に加え、省エネを実現する照明制御事業
http://www.optex.co.jp/

センシング技術で“安心・安全・快適”に暮らせる社会づくりの実現を目指すオプテックス株式会社様は、世界初の遠赤外線を利用した自動ドア用センサーを開発して以来、防犯関連製品や省エネ対応照明の開発など、センシング技術の分野で新しい価値を社会に提供し続けています。日本国内はもちろん北米、ヨーロッパ、アジアに子会社を持ち、その技術力は世界で高く評価されています。中でも、オプテックス株式会社様の総力を結集して開発した、世界初の赤外線レーザースキャンセンサー「REDSCAN」は、赤外線レーザーの特性を利用して人やモノを検知するセンサー・システムです。幅広い用途で活用されており、データセンターや発電所、倉庫などの重要な施設では、センサーとカメラを連動させ不審者の侵入を即時に知らせるセキュリティシステムとして活躍しています。当社は、グローバルにビジネスを展開するオプテックス株式会社様の海外販売子会社システムの導入をご支援しました。

海外販社システム刷新と物流改革を同時に実現

オプテックス株式会社様(以下、オプテックス様)は、1980年、頭上に設置したセンサーで人を検知し、ドアを開くという自動ドア用センサーを世界で初めて開発されました。この画期的な製品は大ヒットし、瞬く間に国内トップシェアを獲得。さらに、自動ドア用センサーで培った他社を圧倒する高い技術力に加え、画像関連技術を融合させた独自のセンシング技術を確立し、セキュリティ分野において新たな製品を次々と世に送り出してこられました。さまざまな分野において世界トップシェアを誇る製品を開発し、グローバルで高い評価を獲得しています。

オプテックス様では、さらなる海外展開の拡大、シェアアップを図るために、海外販売子会社(以下、海外販社)の生産性向上、コスト削減、業務効率化、ガバナンス強化などの実現を目指し、海外販社システムの全面刷新プロジェクトに取り組まれることとなりました。

プロジェクトの責任者として全体を統括されたビジネス開発本部本部長の今井貴之様は、当時の状況を次のように語ります。

「当社は、北米、ヨーロッパ、アジアに8社の海外販社を持ち、海外での売り上げが全社の60%以上を占め、そのうち約50%がヨーロッパ向けとなっています。しかしながら物流は日本・アジア中心のオペレーションとなっていたことから、発注から納品までのリードタイムが非常に長いなどの課題を抱えていました。また、事業部ごとに海外販社を設立した経緯があり、会計システムや販売システムを個別に導入してきたことから、全社としてのガバナンスの観点からも課題があると認識していました。さらに内部統制、国際会計基準への対応という意味においても早期に課題を解決する必要がありました」

今回のプロジェクトでは、在庫をはじめとする海外販社の各業務状況の可視化や、本来の業務に集中するために余分な重複作業を削減し、本社との連携強化を目的とし、共通化された海外販社システムの構築に取り組みました。それと同時に、本社からの海外出荷において、地域ごとに統合倉庫を配置させ在庫を集中し、物流の効率化を図るなど、システムと物流の両面からの業務改革を行いました。

グループ全体視点での業務効率向上により、グローバル競争力を高めるGLOBEプロジェクト

プロジェクトに取り組むにあたり、オプテックス様では数社のベンダーへ提案を依頼し、検討を重ねられました。選定のポイントとなったのは、今後のさらなるグローバル展開を見据え、海外販社の増加にも対応できる柔軟性と拡張性を持ったシステムです。当社の提案は、初めに海外販社で共通して使用するコアのテンプレートを作成し、システム導入先の地域に応じたローカライズを加えながら横展開するというものであり、この点をご評価いただきプロジェクトへの参画となりました。

「海外ではそれぞれの国において商習慣や税法が違うことから、基盤となる共通のシステムを構築することは非常に難しいと考えていました。しかし、御社は、コアテンプレートを用いた海外グループ企業への展開実績があり、今までの経験を基に海外展開における問題点などを的確に指摘してくれたことなどが、選定の決め手となりました」

こう語るのは、プロジェクトマネージャーとしてプロジェクトの運営管理を担当された、ビジネス開発本部情報システム部情報システム企画課課長の南聡様です。

「グループ全体視点での業務効率向上により、グローバル競争力を高める」(今井様)ことを目標に掲げ、2011年1月、プロジェクトがスタート。プロジェクトは、“Global Link of Optex Group Business Effective System(GLOBE)”プロジェクトと名付けられました。

まずオプテックス様が取り組まれたのは、海外販社の実態を知るための現地ヒアリングです。2月には、プロジェクト推進事務局のリーダーとして現場をまとめられたビジネス開発本部情報システム部情報システム企画課の岡安孝輔様がイギリス、アメリカに渡航、各販社を訪問されました。

「当社の海外販社の中でも規模の大きいイギリス、アメリカの実態を把握した上で要件を確定し、それを基に共通の基盤を構築するために現地に飛びました。ところが、実際に現地でヒアリングをしてみると、想定を超える特殊な業務があることが分かり、その内容を一つひとつ確認することに努めました」(岡安様)
 渡航には当社の社員が同行し、海外販社のヒアリングを支援しました。こうした丁寧なヒアリングが、GLOBEプロジェクトを成功に導いた大きな要因の一つとなります。コアとなるテンプレートの作成において、何が必要で何が不必要かを判断するために現場の実態の把握は不可欠です。

実際に販社を訪問し、生の声を聴くことで、現場の業務やシステムの課題が明確になり、システムの構築に生かすことができました。

 

GLOBEシステム全体像

現地社員の理解を得ることが海外プロジェクト推進における重要な要素

GLOBEプロジェクトを進める上で今井様が重視されたことの一つが、いかに現地の理解を得るかということだったと言います。

「新しいシステムで仕事の進め方が大きく変わるのではないか、自分たちの存在意義が問われるのではないか、といった不安を持つ社員も中にはいたようです。本社からの一方的な指示でプロジェクトを進めても、システムを使うのは現地の社員ですから、その目的や意味、加えて新しいシステムを入れることのメリットを十分に理解してもらうことが重要だと考えました」(今井様)

実際に海外販社を訪問された岡安様は、「現地の社員には、会社の売上を支えているという自信と、それぞれの分野におけるプロフェッショナルとしての自負があり、最初は本社からの提案は到底受け入れられないという雰囲気すらありました」と言います。

また、最初のイギリス渡航に同行された南様も、「最初は、本社から何をしに来たのかという感じでした」と当時を振り返ります。

このような状況に対し、プロジェクトチームはシステム導入によるメリットを細かく、丁寧に説明することで、徐々にGLOBEプロジェクトの重要性を浸透させ、海外販社社員からの理解と協力態勢を得ました。

「こうしたプロジェクトでは信頼しあえる人間関係を築くことが大切だということを、改めて強く感じました。現地には現地にしか分からない苦労があります。今回は人間関係を築くことができたおかげで、プロジェクトが順調に進んだのだと思います。また今回のプロジェクトにおいて、御社の社員が、当社の立場に立って、当社の目線でプロジェクトに臨んでくれたことで、安心して任せることができました。このことも成功した大きな要因だと思います」(南様)

一方、国内においてはプロジェクトチームの分科会を立ち上げ、プロジェクトをサポートする体制を整えられたとのことです。

「当初は、IT、物流、会計、販売、営業の5つの分科会で、月に1回は各分科会のリーダーが集まるリーダー会を行い、個々の分科会の活動は必要に応じて随時というくらい頻繁でした。そのおかげでそれぞれの進捗状況やどのような課題があるのかなどを共有することができました」(今井様)

また今井様は、「昨年は東日本大震災、タイの洪水、急激な円高の進行など、予想しなかった出来事が起き、こうした対応に追われる中で、GLOBEプロジェクトに積極的に参加してくれた社員には本当に感謝しています」と言います。

国内外問わず、オプテックス様全社一体となってのプロジェクトへの取り組みにより、2011年4月からの要件定義、7月からのイギリス販社向けシステム設計およびコアテンプレート設計と順調に進み、その後のテストやトレーニング、データ移行などを経て2012年1月、当初の予定通りイギリス販社のGLOBEシステムが稼働を開始しました。

世界各地の海外販社への展開をご支援することでグループ全体の価値向上への貢献を目指す

現在はイギリス販社の稼働後間もないこともあり、定量的な導入効果が見えてくるのはもう少し時間がかかるとのことですが、現場からは作業効率が上がり、仕事全体の効率も上がったとの声が寄せられているそうです。

「本社から海外販社に対して、さまざまなレポートの提出を求めるケースがありますが、GLOBEシステム稼働により本社の各部門から情報システム企画課にお問い合わせいただければ、海外販社の情報を日本側でもすぐに提供することができるようになったものもあります。一方、販社側でも月次ごとの会計の報告書類は、GLOBEシステム稼働以前は現場が作成作業に追われていましたが、稼働後は誤解を恐れずに言えばボタンひとつ押すだけで作成することができます。つまり月末月初の処理はすでにかなり削減されている状況です」(岡安様)

また、システムの導入に伴い、それまで海外販社ごとに異なっていた品番の統合を行い、本社のシステムとのシームレスな連動が可能となったことの効果も非常に大きいと岡安様は言います。

現在、GLOBEプロジェクトはヨーロッパ地域の他の海外販社への横展開を目指し、コアテンプレートの機能増強を進めているところです。

「まずは海外販社の数が多い、ヨーロッパ地域から優先的に取り組んでいこうと考えています。そのほうがトータルな成果も現れやすいと思います。ヨーロッパの後はアメリカ、さらにアジアへと拡大していく予定です。また、当社では今後、東南アジアおよびインド、中南米といった成長市場でのビジネスに力を入れていきたいと考えていますので、ビジネスの進捗状況を見ながら必要に応じてシステムを導入していく考えです。これを実現できるのも、御社がコアテンプレートをベースに展開していくという提案をしてくれたおかげですので、引き続き当社にとって価値ある提案・支援を期待しています」(今井様)

当社では、海外グループ企業へのシステム導入の知見、そして今回のオプテックス様との初めてのプロジェクトを通じて得た業務知識を生かし、海外販社も含めオプテックスグループ様全体の価値向上に貢献できるよう、さらに積極的に取り組んでいきます。また、すでに海外展開をされている企業様や、これから海外展開をお考えの企業様に対して、ガバナンス強化、生産性向上などに貢献するグローバルなソリューションを提供していきます。

GLOBEシステム全体計画

※掲載内容は2012年7月時点のものです

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