菱江化学株式会社様

 

販売管理システム構築プロジェクト


将来のグループ企業への展開も見据え
.NET販売管理フレームワークの活用により
短期間で高品質かつ柔軟性の高い販売管理システムを構築

プロフィール

創立:1953年8月
資本金:1億円
本社所在地:東京都中央区
事業内容:工業薬品、医薬品、試験用薬品、染料および以上の中間物の販売並びに製造加工、合成樹脂、顔料、香料および塗料の販売並びに製造加工、各種包装材料、容器および建築材料の販売、損害保険代理業、自動車損害賠償保障法に基づく保険代理業など
http://www.ryoko.co.jp/

菱江化学株式会社様は、三菱ガス化学グループの一員として“私たちは「見えないところに確かな技術」で、時代を拓きます”の企業理念の下、社会のインフラを見えないところから支え、豊かな社会を築くための一翼を担うことを目指しています。当社では、長年にわたる菱江化学株式会社様とのお付き合いの中で獲得した業務知識と信頼関係を生かし、新販売管理システムの刷新プロジェクトをご支援しました。

グローバル化への対応や内部統制強化などを目指し約20年ぶりとなる
販売管理システム刷新を決断

「プロジェクトが後半を迎えた2011年3月に東日本大震災が発生し、影響を心配しましたが、予算もスケジュールも計画どおりに無事稼働することができました」

そう語るのは、三菱ガス化学グループの化学品専門商社、菱江化学株式会社様(以下、菱江化学様)常務取締役の山田市次様です。

菱江化学様の創立は1953年。エレクトロニクス、ライフサイエンス、食品関連、防錆・包装資材、表面処理、産業機械など幅広い分野を手がけ、多彩な化学工業薬品を販売するとともに、自ら研究・開発を行うことによってお客様のニーズに応える専門商社として、グローバルに事業を展開されています。

同社では、2008年ごろから販売管理システムの刷新を検討。それまでのシステム構築を手がけてきた当社も含むベンダー各社に提案を打診されました。

「従来のシステムはCOBOLで開発されたものですが、今はCOBOL技術者が減少して高齢化していることから刷新の必要性が高まっていました。さらに、事業のグローバル化やメーカー機能を持つ化学品専門商社としての機能高度化、内部統制強化、多角化する業務の効率化などの課題に対応するために、従来のオフコン中心のシステムから、オープン系のシステムに切り替えることにしました」(山田常務)

プロジェクト・マネージャーの立場で関わられた、当時、管理本部経理グループ マネージャーだった山田全彦様(現・総務グループ マネージャー)は次のように説明されます。「当社にとっては約20年ぶりとなるシステムの刷新であったため、最新の事例やクラウドをはじめとする最近のITの動向など、さまざまな情報を入手し判断したいと考え、いろいろなベンダーを比較検討しようということになりました。そこで、現行システムを担当した御社の協力を得て、初めて提案依頼書(RFP)を作成しました」

山田マネージャーから経理グループ マネージャーを引き継いだ冨田幸孝マネージャーは、「前身である営業システムは、1993年に導入して以来、2000年対応、小規模改善、データウエアハウス導入、電子帳票の導入などプログラム改修を重ねてきましたが、ついに今回の新販売管理システムに刷新することになりました」と語られます。

多様な運用に堪えられる精度の高いシステム構築を目指す

RFPは、管理本部経理グループ主査の入江昌利様と同じく経理グループの片山章様が中心となって作成されました。

「私はユーザーとのいわば架け橋的な立場で、役員や管理職向けアンケートを実施するとともに、現場の声を聞いて回りながらRFPの作成に当たりました」(片山様)

今回の新販売管理システム構築に当たり菱江化学様では、(1)営業活動の支援強化、(2)収益性管理強化、(3)システム機能の充実による業務効率化、(4)海外取引拡大をにらんだシステム機能の拡充、(5)保守性・拡張性の高いインフラ環境の整備、(6)内部統制対応の6つを開発目的に掲げ、新システムのあり方を検討されました。

入江様によれば、「今回のシステム開発は、バッチ処理からリアルタイム処理への転換」という側面もありました。

RFPが完成し、いよいよプロジェクトが動き出そうとした矢先の2008年末、リーマンショックに端を発した世界的な金融不安を受け、システム開発計画は一時棚上げに。その後、景気回復の兆しが見え始めた2010年に計画が再開され、ベンダー各社からの提案を受け、ベンダー選定の段階に入ります。

「選定に当たって社内では、最終的に汎用パッケージソフトかスクラッチ開発かの選択で大いに議論になりました」(山田常務)

当時の様子を入江様が次のように説明されます。

「当初は、コスト面などを考慮して、御社ではないベンダーからの提案に決まりかけていました。概ね完成している汎用パッケージ製品をベースに開発していくものです。しかし、それでは自分たちのニーズをシステムに反映しきれないと判断し、御社のフレームワークを活用し、われわれの要望に応じて開発するという提案を採用しました。こちらのほうが苦労は伴いますが、われわれの理想に近づけやすいと考えました」

ご提案したシステムは、.NET販売管理フレームワークをベースとしたもので、短納期、高品質、柔軟性が大きな特長です。.NET販売管理フレームワークは、(1)お客様のあるべき姿の業務に合わせたシステム構築のアプローチが可能、(2)汎用性の高い開発言語を採用することによる保守性・拡張性の向上、(3)部品群の活用による生産性の高いシステム開発を実現などのメリットがあります。

「紆余曲折がありましたが、御社は当社のシステムに精通しており、長年にわたる信頼関係もあり、.NET販売管理フレームワークを活用して、多様な運用に堪えられる精度の高いシステムを構築してくれると判断しました」(山田常務)

いくつかの困難を乗り越えスケジュール通りにシステム完成

こうして2010年6月29日、新販売管理システムの開発がスタート。三菱ガス化学様のシステム構築・運用を担う、三菱ガス化学グループのエムジーシーコンピュータサービス株式会社様のご協力を得て、プロジェクトは進められました。

菱江化学様プロジェクト・メンバーの皆様は、経理部門に所属していることから、通常業務の合間を縫い、限られた人数で取り組まれました。

「日常の業務を回しながら、プロジェクトのために時間を捻出しなければなりませんでした。決算のたびに多忙になるので大変でした」(山田マネージャー)

プロジェクトの中で、菱江化学様が特にご苦労されたのが商品マスターなどの整備です。取引先情報に加え、商品マスター(基本情報)のコード体系変更もあり、膨大な作業量となりました。取引先や商品情報などおよそ6万件の登録作業が待ち受けていたのです。

また、プロジェクト中には予想もしなかった事態に遭遇します。プロジェクトが後半にさしかかった2011年3月、東日本大震災が発生。当時、プロジェクトの拠点となっていた東京・中央区の菱江化学様・本社会議室には、当社の社員もいました。そこに襲いかかった震災。「多くの関係者が帰宅できず、会議室に泊まっていただく事態に。その後の苦境も共に乗り越えました」と山田常務。

ただでさえ膨大なボリュームに追われているところへ震災の混乱が拍車をかけました。しかし、菱江化学様では、「絶対期日までに終わらせる」という方針を改めて打ち出され、膨大な作業と時間との戦いが続きました。

もう一つ影響を受けたのがユーザーのトレーニングでした。
「仙台支店は震災の影響でトレーニングどころではなくなり、大幅にスケジュールを遅らせて、稼働直前の集中トレーニングを実施せざるを得ませんでした。また、本来であれば本社が受けるお客様からのオーダーが、震災の影響で大阪、名古屋、福岡の各支店に流れ、いつにも増して業務が忙しい中、かなり無理をしてトレーニングを受けてもらいました」(冨田マネージャー)

こうした困難を乗り越え、キックオフから11カ月後の2011年6月、山田常務のお言葉通り「トラブルもなく、予算内でスケジュールどおり」にシステムが完成。当初の開発目的を達成した新販売管理システムが稼働を始めました。

企業価値向上に貢献する総合的な提案・サポートを期待

長年使ってきたシステムからの変更だけに、稼働当初は現場に混乱もあったとのことです。
「デリバリー担当者は、従来の受発注画面を約20年間使い続け慣れ親しんでいたことから、新システムの画面や新機能に慣れるまでかなり戸惑いがあったことは事実です。御社が入念にテストして検証を重ねてきたので、ある程度は大丈夫だと思っていましたが、蓋を開けてみて初めてわかることもあり、当初2カ月は現場に浸透させるのに苦労しました」(片山様)

「EDIもトラブルなく稼働しており、これから導入効果が現れてくるだろうと期待しています」(入江様)

一方、経営を預かっておられる山田常務の、「経営の立場から見ると、使い勝手が向上したことが一番の成果です」というお言葉に加えて、山田マネージャーは「従来の業務はできて当たり前ですが、過去にはできなかった柔軟な請求書発行なども簡単にできるようになりました。営業の現場にとっては、非常に大きなメリットです」と導入効果を語られます。また、冨田マネージャーも「稼働から半年。今のところ順調に稼働しており、私たちの作業も次の拡張などの段階に移っています。ユーザーも慣れてきて、落ち着いています」と現状にご満足いただいているようです。

新販売管理システム全体図


膨大な商品マスターの整備作業に、大震災の混乱など、まさに激動の1年だったプロジェクト。順調に進んだ点は菱江化学様に高く評価されました。

「こんなにきちっと立ち上がるシステムはまずありません。本来ならいろいろな問題が生じても不思議ではないのに、すんなりと完成したのですから、素晴らしいですね。できあがってみると、改めて大きな仕事が円滑に終わったのだと実感しています」(山田常務)

この新販売管理システム構築でのプロジェクト進行などをご評価いただき、菱江化学様より感謝状をいただくという嬉しい出来事もありました。

「新販売管理システムは、親会社の三菱ガス化学を意識したマスター体系の整備や、商社特有の機能を考慮して開発を行ったため、三菱ガス化学グループ企業や当社子会社にも提案していきたいと考えています。さらに今後は、当社に不足している生産管理システムやBCPの拡充、ワークフローの連携強化などにも着手していく予定です。御社には、開発・保守・運用のサポートを委託しているので、企業価値向上に貢献する総合的な提案・サポートを期待しています」(山田常務)

当社では、菱江化学様との長年にわたる信頼関係をベースに、菱江化学様をはじめ三菱ガス化学グループ様に貢献できるように取り組んでいきます。

※掲載内容は2012年4月時点のものです

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