TCSの「人材」を起点とした目的志向の変革 ~CHROの視点から~

Focal Point

TCSの「人材」を起点とした目的志向の変革

~CHROの視点から~

 

お客さまの変革パートナーとして

2020年のパンデミックを機に、継続的なビジネス価値を創出するため自社の目的に立ち返る動きが高まっています。目的志向の成長を実現するため、企業は大きな変革を迫られています。今回はCHRO(Chief Human Resource Officer:最高人事責任者)としての視点から、「人材」を起点とした目的と変革についてお話しします。

この春、タタコンサルタンシーサービシズ(TCS)は、目的志向の成長を掲げ、お客さまの変革パートナーとしての役割を果たすことを改めて定義しました。「目的志向」とは、最終的にお客さまのあるべき姿を実現することだと考えています。プロジェクトを遂行し完了させることはあくまでも手段のひとつであり、プロジェクトの最終的なゴールはお客さまがベネフィットを享受しあるべき姿を実現していることです。

例えば、お客さまがお考えの課題がコスト削減だったとします。TCSはお客さまのご要望にお応えするだけでなく、その先にある本来お客さまが実現されたいこと・実現すべきことをお客さまと同じ視点で、さらにはお客さまの一歩先の視点でご提案する責任があります。その姿勢こそが、TCSのあるべき姿です。TCSグローバルで見れば、大半の案件が継続してお取引をさせていただいているお客さまの案件であり、ありがたいことにTCSのビジネスは成長しています。これはTCSがお客さまに寄り添い、期待に沿うことができている、また、期待以上の成果を実感していただいていることに起因すると考えています。

 

TCSが実現するパーパスとは

目的志向、およびお客さまの目的の実現について述べましたが、ここでTCS自身のパーパスをご紹介します。TCSのパーパスは、「イノベーションと集合知でよりよい未来をつくる」です。ここに集合知という言葉がでてきますが、TCSの強みもまさにこの集合知です。TCSがグローバルで培った知見・ノウハウ、そして世界中の49万人のIT人材を日本のお客さまにご活用いただくことで、一つの集合知としてお客さまにお届けできると確信しています。

TCSの集合知活用の一例をご紹介しましょう。日本のお客さまへのご提案の際、アメリカでTCSが支援した事例を紹介しました。お客さまが変革を実行する目的やそこから得られるベネフィット、デジタルを使ったビジネス変革の在り方という点まで詳しく説明し、単なるシステムの更改に留まらないビジネス全体の視点を提案しました。アメリカのお客さまを支援したメンバーもプロジェクトメンバーとして参画し、日本TCSのドメイン(業界)に精通したエキスパートと共に、グローバルのベストプラクティスを参考にしつつも日本のお客さまにより適したインサイトやソリューションの提供体制を構築しました。プロジェクト運営という観点からも、アジャイルのスペシャリストを参画させ、スピード感のあるアジャイル開発をお客さまと共にワンチームで実現しました。まさに、TCS全体の集合知をフル活用でき、かつ、お客さまにも一歩先のアプローチであったと評価いただけたプロジェクトとなりました。

 

日本TCS自身を変革する

TCSはお客さまの目的を達成するための変革パートナーであり続けるために、また、自身がそのパーパスを達成するために自らをも変革しつつあります。お客さまに最善のご提案をし、満足いただくために重要なことは、CHROの視点からは社員の満足度であると考えています。社員が満足のいく仕事ができていなければ、お客さまにも満足いただけません。もちろんビジネスにおいてはお客さまに満足していただくことが第一ですが、TCSのパーパスを追求していくと、社員・ビジネスパートナー・株主などのステークホルダーと共に成長することが求められていると実感しています。

集合知活用の事例のように、お客さまの期待に応え、それを超えるためには、社員ひとりひとりがプロフェショナルである必要があります。プロフェショナルが自信と誇りを持って自律的に働ける環境を整備することがCHROとしての役割です。私自身の業務経験からも、「スキルアップができる」「専門性や経験を活かせる機会がある」ことがプロフェショナルにとしての喜びにつながると考えています。そのための変革が日本TCSでも着々と動き出しています。

TCSは、セールスとデリバリー(サービス提供部門)のマトリクス組織の形態をとり、お客さまのビジネスや課題に応じてプロジェクトチームを構築します。

 

デリバリー部門のエンジニアへは、プロフェショナルとしての専門性や経験を活かす機会が個人のキャリアや適性に合わせて提供されます。また、トレーニング・ラーニングプログラムもグローバルで提供しているものと同じものが日本でも活用されています。グローバルのトレーニングプログラムの中には、学んだことがプロジェクト内でのパフォーマンスに活かされているかが評価されるものもあります。評価次第では適切なインセンティブを得ることも可能です。社員の自己実現と会社からの適切な評価の機会が提供されることで、プロフェショナルを志向する社員が成長できる環境を実現しています。

 

CHROが必要な視点

この春から私はCHROとして日本TCSの変革を推進する立場となりました。業務遂行に必要だと感じていることは、「人事としての専門性」と「ビジネス理解」の2つです。デジタルを用いてお客さまのビジネスを変革していくことがTCSの使命ですので、ビジネスを理解していないと真の人材活用は不可能です。私自身はこれまでデリバリー統括としてお客さまのビジネスに深く関わり、また、社員と共に数々のビジネス変革を推進してきた立場ですので、ビジネスのことも社員のことも知っていることが強みと捉えています。さらに人事としての専門性を一日も早く高めていくべく、人事部門のメンバーと一緒に日々業務にあたっています。

最後に、日本のIT人材不足はどのお客さまも認識されている喫緊の課題です。IT人材を数名確保するだけでも苦労している中、24時間稼働可能な世界中のIT人材と集合知がTCSには存在しています。真の意味でのお客さまの変革パートナー、一歩先を行くパートナーとなるべく、お客さまのビジネスの成長と変革のために人材の観点からご支援してまいります。

 

谷村 佳幸 Yoshiyuki Tanimura

日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社

副社長 最高人事責任者 (兼) 最高コンプライアンス責任者

1987年、日本アイ・ビー・エム入社。SMB市場、流通業のサービス提供部門長などを経て、2010年、アイ・ティ・フロンティア(現日本TCS)入社。デリバリー部門長として2千人規模の組織を率い、2012年、副社長に昇格。2021年4月より現職。

※掲載内容は2021年7月時点のものです。

 

関連記事