日本TCSは、人材枯渇やスキル維持・獲得、ITサービス品質に関するお悩みに対して、グローバルでの運用実績とノウハウに基づくSAP運用の変革をAIやチャットボットといったテクノロジーを組み込んだ「次世代AMS」としてご提案しています。
SAPユーザー企業の課題の1つとして、SAP GUIを利用したユーザーによるインシデント対応の難しさが挙げられます。たとえば、出荷ブロックが発生した際、ユーザーリテラシーが足りず、対応が理解できていないユーザーからの問い合わせ件数が増大。それに伴った運用チームへのエスカレーションもタイムリーに進まず、ビジネスに影響が出ているケースもあるのではないでしょうか。ユーザー満足度を向上し、運用負荷も同時に下げるソリューション、そうしたものをお探しのIT部門も多いのではないかと日本TCSは考えます。
これからのSAP運用をぜひご体感ください。
【ユーザーサイド】SAPを理解するチャットボットでユーザー体験を変革
上記を踏まえると、ユーザーコミュニケーションのデジタル化は、市場の注目を集める自動化やAI技術の適用における大きな試金石となります。一方で、汎用化されているチャットボットには、専門用語などに関するナレッジの不足、長期の学習によるコスト増大など、様々な課題があり、思うように進展していないと感じられる方も多いのではないでしょうか?
TCS独自のチャットボットフレームワーク(TISA™)
TCS独自のチャットボットフレームワークであるTCS Intelligent Support Assistant(TISA)は、SAPナレッジを事前学習した多言語対応のチャットボットフレームワークです。上図のように、ユーザーとの対話を通じ、SAPナレッジに基づくリクエストへの自動対応を提供します。手動による対応ミスを最小限に抑え、タイムリーにサービスを提供し、ストレスフリーなユーザーサポートを実現すると同時に、自動化やAI技術の活用の第一歩としてコミュニケーションのデジタル化を実現いたします。
-TISAを利用することによる変革事例
当社の次世代AMSをご利用中の製造業者様では、従来、サービスデスクでオペレーターが行っていた処理状況の確認や障害状況の問い合わせといった対応を、TISAを通じてチャットボット主体の対応に刷新しました。これにより、サービスデスクの作業負荷を削減し、必要に応じたエスカレーションもユーザー自身が行えるようになり、ビジネスの迅速性を上げています。
大手製造業者様でのTISA活用概要
日本TCSではこのように、まずはユーザーコミュニケーションのデジタル化を進めることで、運用面での次世代技術適用の素地を形成し、更なる運用作業自動化を推進します。
それでは、実際、処理の遅延や障害が発生した際の運用作業はどのように自動化されるのでしょうか? 出荷伝票作成の際に、出荷ブロックが発生しているという場合を見てみましょう。
TISAは出荷ブロックの情報を確認し、ユーザーに対してITSMツールへのインシデントチケットの起票を提案、ユーザーが依頼すれば自動でITSMツール上にチケットを起票します。
TISAが自動でインシデントチケットを起票
【ITサイド】SAPナレッジを搭載した運用自動化製品 – ignio™ AI.ERPOps
TISAとignio™によるSAP運用変革
ユーザーはタブレット、スマートフォンを通じ、TISAとインタラクティブに対話を行います。TISAがユーザーに代わり起票したチケットをもとに、ITSMツールと当社独自のコグニティブ運用自動化製品ignio™ for AI.ERPOpsが連携し、即座に対応を開始します。
ignio™ AI.ERPOpsが作業を即座に開始
同時に、ignio™ AI.ERPOpsは事前学習済みのSAPナレッジと関連ドキュメントやシステムとの連携を通じ、出荷ブロックの原因分析を開始します。出荷ブロックの被疑箇所を自律的に特定した後に、事前に定義された対応作業に基づき出荷ブロックを解除します。
ignio™ AI.ERPOpsの出荷ブロック原因分析結果
これらのignio™ AI.ERPOpsが実施した作業内容と結果はITSMツールに自動連携され、解決通知がユーザーに送られます。結果として、TISAによるコミュニケーションのデジタル化とignio™ AI.ERPOpsによる自律的な対応により、シームレスな自動運用が実現します。
-ignio™ AI.ERPOpsによる変革事例
前章でご紹介したTISAをご利用の製造業者様では、ignio™ AI.ERPOpsを用いた自律的な対応実行にも取り組んでいます。TISAが受け付けたユーザーからのパスワードリセットや各種処理作業を、ignio™がITMツールを経由して受け取り、対応作業を自律的に開始します。受発注の処理やトランザクションの監視、仕入れ先の状況等に合わせて自動でアラートを発報し、IT運用担当者とユーザーへの通知を行うことで、問い合わせの件数削減やビジネス上重要な支払処理の特定等を自動化しています。
ignioによる大手製造業者様での自動化例
このように、日本TCSの運用実績に基づく次世代AMSは、お客様のSAP運用におけるデジタル化と自動化の双方の課題解決を強力にご支援します。
TCS独自の次世代運用モデル(Machine First Delivery Model : MFDM™)
豊富な機能を提供するSAPをお使いのユーザーにとって、SAP GUIによる操作が難解に感じられる場面は少なくありません。特に、ITへの造詣が深くないビジネス部門のユーザーにとっては、非常に手間がかかる作業として敬遠されがちではないでしょうか。一方で、昨今のS/4 HANA化やDX等の推進は、各企業における重要課題の一つとして考えられていますが、上記に起因する運用業務負荷が障壁となっている企業も多いのではないでしょうか。
TCSは30年の運用サービスの中で培った経験から自動化のノウハウを結集し、独自の運用フレームワークを構築しました。それがマシンファースト・デリバリーモデル(以下MFDM™)です。
このモデルでは、ユーザーやシステムから発出するリクエストやアラート、障害対応といった運用プロセスを手動で行ってきた従来型のモデルを見直し、AI/機械学習のアルゴリズムと自動化製品を組み合わせた包括的運用自動化を目指しています。
(MFDM™フレームワーク)
本日ご紹介したTISA及びignio™はこのMFDM™を構成する重要な要素です。
この機会にぜひ、貴社でのMFDM™を活用したSAP運用で、ユーザー満足度向上とIT運用負荷の低減に踏み出してはいかがでしょうか。
※掲載内容は2021年2月時点のものです。
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