Point of View

Business 4.0™でニューノーマルに備える

目的志向、レジリエンス、適応力

 

 

世界がロックダウン下でビジネスを行う中、人々が懸念しているのは、直面する健康問題の先にある経済への影響です。新型コロナウイルスの猛威は予測不可能なことから、今、経済の先行きを見通すことは非常に困難になっています。それでも私たちは、この不確実な時代、そして、“ニューノーマル(新常態)”な世界に向けて、準備を整え始めなければならないことは明らかです。

Business 4.0の世界の企業にとって、これは何を意味するのでしょうか。

Business 4.0の時代では、企業は強力なデジタルテクノロジー基盤を築き、エコシステムの活用、パーソナライゼーションの推進、リスクへの挑戦、エクスポネンシャルな価値の創造といったデジタル時代を生き残るための取り組みを加速しています。そして、限りある内部の資源を最大化しようとする自前主義から脱却し、業界や国などを超えた豊富なリソースの活用へと、そのマインドセットを変革しています。

長期的には、このような取り組みが企業の成長、変革、サステナビリティの実現を推進し続けます。しかし、困難な状況にある今、中期的にはレジリエンス、すなわち堅牢性と回復力を兼ね備えた力と適応力の強化といった、より喫緊の課題に注力する必要があると考えます。

目的志向

状況やニーズへの適応を大きく左右するのは、目的の捉え方です。企業は、自社が作り、販売する商品を超えて、その先にある目的――ユーザーは何を達成したいのか――に目を向けています。多くの場合、その目的こそが、企業の変革の道しるべとなります。

英Vitality社は、今や医療保険を提供するのみならず、被保険者の健康増進のサポーターでもあります。蘭Damen Shipyards社は、造船業者から海洋ソリューション・プロバイダーへと、そのポジションを変えています。米Thomson Reuters社も、商品主導の情報サービス企業から、目的志向により信頼できる「答え」を提供する企業へと、自らを再定義しました。エネルギー企業である仏Total社は、燃料の製造と販売だけでなく、手頃な価格で安心・安全かつクリーンなエネルギーを供給する責任あるエネルギーのリーディングカンパニーを目指しています。

このように、目的をもとにビジネスを作る取り組みは、変革への非常に強い推進力になります。この動きは、企業が自社にとって何が最も重要で、何が真の価値の源となるのかを見極めようとしている中、今後数カ月でますます加速すると確信しています。企業は、自社が提供する価値の流れをあらためて精査し、その中から成長を加速させるサービスを見つけ、それらを組み合わせることで、より高い生産性や発展を求めていくでしょう。

レジリエンスの向上

こうした目的志向のアプローチと、「ニューノーマル」に適応するのに必要な力を組み合わせることで、企業は状況に応じて変化する弾力的な組織を実現し、経済が不確実な時代でも成功することができるでしょう。

レジリエンスには、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供し続けながら、ビジネスモデルの迅速な微調整と新製品の発売または新市場への参入に必要な適応力、そして、社会的・経済的混乱に耐える力の両方が求められます。

たとえば、経済的打撃に耐えるには、コスト管理やキャッシュフロー最適化のための戦略的アプローチと、現在起きているような不測の活動停止にも対応できるリモートかつコグニティブなオペレーションによって、事業継続性を確保する力が必要不可欠となります。アジャイルな手法を取り入れることが、リスクに挑戦し、危機対応の選択肢と有効性を検証することを可能にし、企業のレジリエンスを向上させる一助となるのです。

適応力

適応力をつけるにはいくつかのアプローチがあります。プラットフォーム志向でエコシステムを活用する、ボーダーレスにキャパシティを強化する、サプライチェーンを再構成して資産を転用する、などが有効でしょう。ただし、これらには、柔軟なテクノロジー・アーキテクチャが大前提となります。アジャイル、インテリジェンス、オートメーション、クラウドといったBusiness 4.0における主要なテクノロジーが、新たな取り組みや変化に適応できるコア、すなわち、「デジタル化の中枢」の基盤となるのです。

これにより企業は、経済的混乱においてすでに進行中かつ不可避な構造変化に対応できるようになります。私たちは、多くの大規模な組織を支援してきた中で、こうした変化への対応がしばしばレガシーな技術環境によって妨げられ、滞るのを見てきました。適応力のある基盤の構築が、弾力性と適応力のある組織の実現に中心的な役割を果たすことになるのです。

強い目的志向を持ち、変わりゆく経済状況に適応できるレジリエンスを身につけた企業ほど、ポストコロナの世界を牽引していくことができるでしょう。

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