かたりす人(と)

#3 協働の可能性

 

 

 

こんにちは、CDIOの中村です。今回は、企業の自前主義にこだわらない「協働の可能性」について熱く「かたって」みたいと思います。

 

企業だけ・学術機関だけではできないこと

「協働」において、私たちTCSが重視しているのは、研究開発の成果を人々が使える「形」として世に出すことです。学術機関と企業が連携することで、企業だけ・学術機関だけではできない課題に取り組むために、様々な可能性を検討してきました。企業内外の協働によるメリットの内の1つはスピード:つまり、自前では時間がかかる研究開発を、他の組織と連携することでスピードを上げることです。研究の成果は、世の中のニーズや環境に合わせて、本当に社会が必要としているサービスとして世に出すことが重要です。TCSは、その成果を必要としている地域や環境に合わせてカスタマイズし届けることをビジネスとしています。学術機関とTCSとの連携の意義はまさにここにあると私は考えています。もう少しかみ砕いて言うと、学術機関が生み出した「種」を、TCSがパートナーとなって一緒に「育て」、本当に必要としている人へ「使えるもの」として届けること。そういったサイクルがどんどん生まれれば良いなと思っています。

今や私たちが扱う問題は、技術が進歩すれば解決するような単純な問題ではなくなってきました。新たな技術開発と同時に、使い方や仕組みをより良いものにしていくのはもちろんのこと、お客様や社会の抱える課題に対し「何を解決するのか」に明確に答えなければなりません。昨今の状況では、ビジネスを創る・課題を解決することとデジタル技術の活用は一緒に考えていく必要のあるものとなっています。

 

パーパスドリブンと協働の力

先日、TCSは「協働」の取り組みの大きな一歩として、東京大学と産学連携協定を締結させていただきました。今回の協定は、全学部と包括的にタッグを組んで取り組むカンパニートゥーユニバーシティの大きな第一歩となりました。デジタル技術の研究分野でのコラボレーションはもちろんですが、文系理系にとらわれず、それぞれの専門分野の視点からお客様・社会が求める「あるべき姿」に近づけるための活発な議論ができることを期待しています。特に、日本が世界に先駆けて取り組んでいる課題、例えば自然災害や高齢化の問題などは、グローバルに向けて新たに一つの「答え」や「形」を提示できればと考えています。難しい環境下の作業や、人の力だけでは難しいことのサポートにデジタルの力をもっと活用してみたいなと個人的にはたくさんアイデアを巡らせています。さらに、日本ならではの細やかで丁寧な視点からの独創的なアイデアが生まれてくることに大いに期待しています。日本に住む我々が経験してきたこと・経験していることをどのように未来につないでいくか、あらゆる枠組みを超えてある目的のためにワンチームで取り組んでいくためのスタート位置に立ったことを嬉しく思うと同時に、どんな「答え」や「形」を生み出していけるか今から胸が躍ります。

私たちが立ち向かう課題はそう簡単なものではないことは私も皆さんも日々実感されている通りです。例えば、安全安心と経済の両立などは最たる例でしょう。立場や環境によって考え方は様々ですし、全員が100%納得できる答えはもしかしたら存在しないのかもしれません。ですが、企業や社会の抱える課題の解決には、専門的な視点からのアプローチと分野を超えたコラボレーションが新しい切り口をもたらす可能性は大いにあるでしょう。ある目的に一丸となって向かう時、企業・学術機関、文系・理系のような境目がなくなっていき、本当の協働の力が発揮されるのだろうということは想像に難くありません。様々な立場や視点が混ざり合わないと解決できない課題に、協働して立ち向かうことはニューノーマル時代にはより重要な力となるでしょう。

 

中村 哲也

日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社
専務・チーフデジタルイノベーションオフィサー(CDIO)

1988年、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。国内外で営業や経営企画、システム導入、3行統合をはじめ幅広い業務に従事。2007年、GEジャパンに入社。主に金融機関とのパートナーシップ構築を図る金融法人部や大手日本企業との戦略的パートナーシップ構築を図る法人営業推進部で活躍。2012年から、日本におけるGEデジタルの立ち上げ・運営を主導。同社の常務執行役員を経て、2018年4月、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ専務・CDIOに就任し、デジタルトランスフォーメーション(DX)、新規事業開発、アライアンス、イノベーション、産官学連携などを担当するBIU(Business Innovation Unit)を立ち上げる。

 

※掲載内容は、2020年12月17日公開時点の情報です。(AM)

 

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