保険業界の変革期に、顧客に寄り添い、価値を提供し続けるパートナーであり続ける
保険クラスターを率いるVishal Wardhan(ヴィシャール・ウォーダハーン)に聞く、部門の価値観と求める人材
日本TCSの中途採用チームに所属するKalyanmoyee Das(カリヤンモイ・ダス)が、保険クラスターを率いるVishal Wardhan(ヴィシャール・ウォーダハーン)に、現在の役割、部門として大切にしている価値観、保険業界で起きている変化、そしてBYB(Bring Your Buddy)*を通じて求める人材像について聞きました。
* Bring Your Buddy:日本TCSのリファラル採用
カリヤンモイ:まず、現在の役割と責任について教えてください。
ヴィシャール:私は、日本における保険業界のお客さま向けビジネスを担当しています。対象は生命保険と損害保険の両方です。日本TCSの組織は複数のクラスター、つまりビジネスユニットに分かれており、私はその1つを率いています。
責任範囲は、お客さまとの関係構築、新規ビジネスの創出、約束したことを確実に届けるデリバリーの管理、そしてメンバーの成長や学習機会の支援まで幅広く含まれます。いわば、担当ユニット全体のP&Lと人材に対する責任を担っています。その責任を、私は誇りを持って果たしています。
カリヤンモイ:日本TCSで部門を率いる立場として、最も大切にしていることは何ですか。
ヴィシャール:私たちはコンサルティングとサービスのビジネスに携わっています。サービスを提供する上では、お客さまに寄り添い、そして真に価値のある存在であることが非常に大切です。そのために、私が最も重視しているのは透明性です。お客さまに対しても、組織の内部に対しても、情報や状況を率直に共有することが重要です。
もう1つ大切なのは、共感です。お客さまの課題を理解するためには、まずお客さま自身を理解する必要があります。この透明性と共感が、私にとっての基本的な柱です。
そのほかにも、役割に応じて必要なソフトスキルがあります。たとえば、学び続ける姿勢、成長マインドセット、課題を機会として捉える力、そして「できる」と考えて前に進む姿勢です。最後に、ロイヤルティも重要です。お客さま、組織、チームに対して誠実であることを大切にしています。
カリヤンモイ:部門のミッションを一言で表すとしたら、どのような言葉になりますか。
ヴィシャール:「Stay close and stay relevant to the customer」、つまり「お客さまに近く、お客さまにとって必要とされる存在であり続ける」ということです。
お客さまに近い存在であるとは、お客さまと強い関係を築き続けることです。そして、お客さまにとって必要とされる存在であり続けるとは、私たちがテクノロジーとサービスの企業として常に新しいことを学び、それをお客さまに届けることです。そうすることで、お客さまにとって必要とされる存在であり続けることができます。
カリヤンモイ:当領域では、現在どのような市場の変化が起きていますか。
ヴィシャール:今は非常に興味深い局面にあります。AIや生成AIによる市場の変化が起きており、保険業界でも活用に向けた取り組みが進み始めています。すでに取り組みを始めているお客さまもいれば、投資を進めている企業、これから投資を計画している企業もあります。
一方で、保険業界にはデータやAIに関わる課題もあります。特に、多くの保険会社はレガシーシステムを抱えています。保険会社は合併・買収を重ねて大きくなってきたケースが多く、買収した企業のシステムが十分に統合されていないことがあります。そのため、現在の業務運用は非常に複雑になっています。
AIの活用により、組織規模にかかわらず、より迅速に業務を進められる可能性が高まっています。一方で、大規模な組織では、既存システムや業務プロセスの複雑さから、変革に時間を要する場合があります。大手企業が業務の在り方を変えようとしている今こそ、市場にとっても、私たちにとっても大きな機会です。
もう1つ、テクノロジー以外の変化もあります。お客さまは既存のベンダーやパートナーに大きく依存しており、そうしたパートナーは多くの暗黙知を持っています。しかし、新しいテクノロジーを活用した変革の方向性まで含めて提案することへの期待も、高まっています。
私たちは、依頼された業務を遂行するだけでなく、お客さまと共に将来の方向性を考え、提案するパートナーでありたいと考えています。
カリヤンモイ:この部門で働く上で、最も面白い点は何ですか。
ヴィシャール:日本の保険業界は、大幅な市場縮小を経験することなく推移してきた業界です。日本は地震やそのほかの自然災害が多い地域でもあります。そうした背景もあり、保険業界は安定した需要に支えられながら発展してきました。その結果、ビジネスは強固であり続けてきた一方で、バックオフィスを支えるITのモダナイゼーションは十分に進んでこなかった面があります。
現在、業界は生成AI、オートメーション、市場におけるスキル不足といった要因により、変化が必要な分岐点に立っています。お客さまも変化を求められており、それが多くの新しい取り組みや機会につながっています。
この部門では、フロントオフィス、ミドルオフィス、バックオフィスなど、保険ビジネスに関わるさまざまなテクノロジー領域や業務領域でお客さまと協働しています。多様な課題や取り組みの機会があるということは、新しい課題もたくさんあるということです。挑戦を好み、変化を起こしたい人にとって、とても良い機会がある部門だと思います。
カリヤンモイ:現在、部門ではどのような人材を求めていますか。
ヴィシャール:私たちは、さまざまな人材を求めています。ファンクショナルコンサルタント、システムアナリスト、開発者、営業、デリバリー担当など、お客さまにより良いサービスを提供するために必要なケイパビリティを持つ人材を歓迎しています。
特に大切なのは、変化を起こすことに関心があること、学び続けること、そして新しいことを学ぶために、これまでの知識や方法に固執せず、新しい考え方を取り入れられることです。そうした姿勢を持つ人には、ぜひチームの一員になってほしいと思います。
カリヤンモイ:最近は、どのような経験を持つ候補者と面接されていますか。チームに加わった方の例があれば教えてください。
ヴィシャール:私はさまざまな役割の面接を行っています。ブリッジエンジニアからセグメントヘッドのような役割まで、スキルや経験レベルの異なる候補者と話をしています。
大きく見ると、技術と業務の両方を理解するテクノ・ファンクショナルなスキルを持つ人材と多く接しています。ただし、この分野では、技術と業務の両方に通じた人材の確保が容易ではありません。そのため、ジュニアからミドルレベルの人材については、育成やリスキリングを通じて伸ばしていくことも考えています。私たちは、人材を育成し、リスキリングを通じて新たなスキル習得を支援する取り組みも行っています。
カリヤンモイ:グローバルメンバーと日本のメンバーが協働する際に、何を大切にしていますか。
ヴィシャール:私たちは主にインドと日本の間に橋を架けようとしています。グローバルメンバーとローカルメンバーが協働する上で、重要なことは3つあります。『相互尊重、信頼、そして透明性』です。
相互尊重とは、互いの文化や違いを尊重し、足りない部分を補い合うことです。信頼が必要なのは、全員がお客さまのために働いているからです。そして透明性は、必要な情報が関係者の間で正確かつ滞りなく共有され、お客さまに影響が出ないようにするために欠かせません。
カリヤンモイ:部門長として、メンバーの成長を支援する際に重視していることは何ですか。
ヴィシャール:メンバーの目標を設定する際、私は3つの視点を意識しています。『第一にお客さま、第二に会社の成長、第三に学習です。』
つまり、1人ひとりに対して、「お客さまにどのように貢献しているのか」「会社の成長にどう貢献しているのか」「新しいことを学ぶためにどう取り組んでいるのか」を考えてもらいます。
また、私はメンバーに、自分が行っている仕事をきちんと発信することも勧めています。自分が何を成し遂げたのか、どのような良い仕事をしているのかを伝えなければ、周囲にはわからないことがあります。成果を共有することも、成長の大切な一部です。
カリヤンモイ:BYBのような社内リファラル制度を通じて入社する候補者には、何を期待していますか。
ヴィシャール:リファラルは、人と人とのつながりに基づく仕組みだと思います。私たちは、人とのつながりが非常に大切な社会で生きています。リファラルで入社する方に期待したいのは、自分を紹介してくれた人への敬意を忘れないことです。
紹介者との信頼関係を大切にしながら、自らの責任を持って行動してほしいと考えています。だからこそ、リファラルで入社する方には、その点を大切にしてほしいと思います。
カリヤンモイ:リファラル候補者や一般の候補者にとって、TCS Japanの魅力は何だと思いますか。
ヴィシャール:いくつかあります。まず、TCS社内にいる知人を通じて、市場には出ていない可能性のある役割にアクセスできることです。次に、リファラルを通じて、会社や組織について理解を深めた上で応募できるという利点があります。
さらに、入社後には、友人や紹介者がすでに社内にいるため、入社後も組織になじみやすいという安心感があります。私にとってTCSは、約25年間在籍する中で、強い信頼関係で結ばれたコミュニティのような存在です。リファラルで加わる方は、そのコミュニティに新しく加わる存在です。そうした安心感も、リファラル候補者にとっての価値だと思います。
カリヤンモイ:最後に、候補者を面接する際に特に重視していることを教えてください。
ヴィシャール:重視する点は、面接する役割によって異なります。営業職であれば、困難な状況でも前に進める「can-do attitude」を見ます。営業はタフな仕事なので、そのような姿勢を重視しています。
デリバリー職であれば、『協働』する力を重視します。デリバリーの仕事では、さまざまなグループと連携する必要があるからです。技術職であれば、問題解決力を重視します。具体的な課題に対する考え方やアプローチを確認することもあります。
ファンクショナル、あるいはドメイン関連の役割であれば、共感力を重視します。ビジネス側と直接向き合うため、忍耐強く、お客さまの課題を理解できるかが大切です。私は、役割ごとに必要なケイパビリティを確認するため、具体的な質問を通じて候補者を見ています。
2026年8月時点