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    • インサイト / 事例

    ANAシステムズ株式会社

    ANAシステムズと日本TCSが共に育む、グローバルIT人材の未来

    インド拠点での実践型研修を通じて、国や文化を越えて協働できるIT人材を育成

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    IT・デジタル領域のグローバル化が進む中、企業には高度な技術力だけでなく、国や文化を越えて協働できる人材の育成が求められています。ANAグループの基幹系システムを支えるANAシステムズ株式会社(以下、ASY)は、国際競争力のあるIT企業への成長を見据え、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社(以下、日本TCS)のインド拠点との連携のもと、約5か月にわたるグローバル人材育成プログラムを実施しました。

    約5か月にわたり、参加メンバーは現地で実務経験を積みながら、異文化理解、実務英語力、主体的に発信する力を磨きました。本記事では、今回の実践型研修参加の背景や成果に加え、ASYと日本TCSが共に創出する人材育成・グローバル連携の価値について、本プログラムを担当されている向後 裕幸 氏と光田 祥啓 氏にお話を伺いました。

    ――今回のインドでのグローバル人材育成プログラムを実施された背景と、プログラムに期待していたことを教えてください。

    昨今、ANAの基幹系システム(旅客、顧客管理、空港、整備など)は、従来のスクラッチ開発から海外サービスやパッケージの導入へと大きく移行が進んでいます。それに伴い、ANAグループ全体の人材戦略においても「グローバルマーケットへの対応力向上」が掲げられており、ビジネスとITの両輪でグローバル人材を強化することが急務となっています。ASYが持続的な成長を遂げ、国際競争力のあるIT企業へと成長するためには、グローバルな舞台で活躍できる人材の育成が不可欠です。

    しかしながら、過去に実施していたグローバル人材育成策では、海外出張が数日〜1か月程度の短期にとどまることが多く、育成に十分な期間を確保しづらいことや、学びと実務を両立できる環境が整っていないこと、そして何より育成プログラム自体の継続性が不足しているといった課題がありました。また、実際の開発ではオンサイト要員を通じた開発が主流となっており、コミュニケーションロスが後工程において品質課題として発覚することがありました。そこで、海外拠点での長期的な実務と直接的な交流を通じて、リアルタイムなコミュニケーションを軸に、グローバルな実践力を培い、海外パートナーとのネットワークを構築することを狙いとして、今回のプログラムを実施することといたしました。

    タタコンサルタンシーサービシズ(以下、TCS)を派遣先に選定した決め手は、実際のプロジェクト等における開発や運用業務において、日本TCSが非常に重要な協働パートナーであったためです。日本で行っている日々の仕事を、現地のTCSメンバーと一体となって行うことで、品質向上やグローバルな仕事の進め方の習得など期待する効果に直結しやすいと考えました。また、2024年10月に基本合意書(MOU)の締結を行い、日本TCSとASY両社の共創関係を高めていくことが確認されました。MOUには双方の人材育成についても触れており、具体的な共創プログラムを確認する中で、日本TCSがインド拠点と連携して「Gurukul(グルクル)」※1を展開していることを知りました。初回となる2025年は、その実施時期に合わせ、当社メンバーもインド拠点で実務経験を積む機会を設けたいと考え、TCSと協働関係の深いメンバーを中心に対象者を選出いたしました。

    ANAシステムズ株式会社
    総務部 部長

    向後 裕幸 氏

    ――実際に参加されたメンバーには、どのような変化や成果が見られましたか。

    メンバーの派遣を通じて、マインドセットや行動に確かな変革が見られ、非常に大きな手ごたえを感じています。定性的な効果としては、主に「アイデンティティの確立」「多様性理解の浸透」「実務力・共創力の向上」の面で大きな成果がありました。

    まず、TCS Siruseri(シルセリ)キャンパス内のASY向け開発エリア、いわゆるオフショア開発センター(ODC)の環境下で、環境構築や課題解決、英語でのトレーニングを通じて、自分の考えや意図を明確に伝えることの重要性を理解し、主体的に行動する力が向上しました。さらに、日々の業務を通じてインドの方々の行動特性を肌で感じ、どのように接し、依頼をすべきかを模索するなど、多様性を理解した上でのグローバルマインドセットを醸成することができました。ポジティブフィードバックの大切さなどを学んだことも大きな収穫です。

    実務面におきましても、実務英語力の向上やシステムの基礎力習得により、TCSとのブリッジSEとしての対応力が向上しました。また、業務環境の違いによるコミュニケーションロスの存在や、日本の文化・仕様を理解してもらうためのオンサイトの有効性などについて、TCSとの共創力向上に向けた発信が参加者から自発的に行われるようになりました。

    特筆すべきは、業務内にとどまらず、TCS社員の自宅への訪問や結婚パーティーへの参加など、業務外の交流を通じても深い人脈が構築できた点です。異文化の壁を自ら乗り越えたこれらの経験は、TCSメンバーとのエンゲージメントを大きく向上させる結果となりました。

    ANAシステムズ株式会社
    プログラムマネジメント部 副部長

    光田 祥啓 氏

    ――TCSのサポートで特に印象に残っていること、また今後さらに改善していきたい点を教えてください。

    TCSの皆さまからは、業務面・生活面の両方において非常に手厚く素晴らしいサポートをいただきました。業務面で特に有益だったのは、TCSが持つ知見を活かしたAMADEUSにおけるRIT機能など旅客系システムの仕組みや業務理解を深める教育プログラムです。充実したレクチャを提供していただき、システムに対する理解が大きく深まりました。また生活面においては、日々の業務連携に加えて、現地での生活サポートを手厚く行っていただきました。

    ASYから参加したメンバーの声で印象的だったのは、同時期にインドで研修・実務経験を積んでいた日本TCSメンバーが一緒だったことから困難な場面でも乗り越えられたという内容でした。会社の壁を越えた仲間意識の醸成が、チェンナイでの生活を乗り越えられた大きな要因だと考えられます。また、体調を崩した際に病院へ同行してくれたりと、異国の環境での不安に対して寄り添ったサポートをいただいたことで、東京サイドでフォローをする我々にも大きな安心をいただきました。これらのフォローによって、参加者が安心してインドで生活・業務に集中できたことに大変感謝しております。

    今後の課題としては、プログラム開始時の「環境準備」と「生活環境への適応」が挙げられます。 業務環境においては、TCSが利用している開発ツールや情報共有環境(Microsoft Teams)の事前の準備不足、オフィスのGuest Wi-Fiの通信不安定などが初期の課題として発生したため、今後は着任後遅滞なく業務をスタートできるよう、事前の環境設定を徹底したいと考えています。また生活面では、長期間のホテル生活によるホームシックや、スパイシーな食事による胃腸への負担、現地の高温多湿な気候への対応などに苦労する場面がありました。加えて、現地でクレジットカードが使用できず決済手段に苦慮した点も課題です。今後は、ASY社内に専任メンターを配置するなど、健康面・精神面でのサポート体制の強化や、Fintechサービス(Wiseなど)を活用した事前決済手段の確立などを進め、より円滑なプログラム運営を目指します。

    ――TCS に向けて、メッセージをお願いします。

    日本TCSおよびTCSのインド拠点の皆さま、とりわけ日頃より私たちのプロジェクトに従事してくださっている皆さまに、心より感謝申し上げます。慣れない環境の中で、参加メンバーが業務・生活の両面で「異文化の壁」を乗り越えられたのは、皆さまが共に考え、指導し、時には家族のように温かく接してくださったからです。また、日本側の依頼や指示をより明確にするための改善提案をいただき、インドのメンバーの皆さまにも当事者意識を持って参画いただくことで、双方で目指す品質の向上につながる建設的な意見交換ができていることを、心強く思っております。

    TCSとの関係は、単なる委託元・委託先という枠を超え、新しい価値を生み出す「共創」のパートナーシップです。今後も互いに挑戦と経験を共有し合い、より一層強い絆でANAグループのビジネス、ひいては世界の航空ITビジネスを共に牽引していくパートナーとして、末永く歩んでいけたらと願っております。

    ――TCSとの共創を通じて、今後どのような人材育成を目指していきますか。

    グローバル人材として異文化理解を深めるには、最低でも3か月の期間が必要であると言われています。今回の約5か月にわたるインドでの実務経験は、参加者にとって大きな成長機会となり、ASYにとっても次期中期計画での飛躍に向けた強固な足掛かりとなりました。

    私たちは、このプログラムを今回限りにするつもりはありません。当社は「グローバル人財の育成」を掲げており、今回の研修はそのための重要なアプローチの一つです。将来的には、様々な施策を通じて、役員、部門長、管理職、一般職を含む全社員を対象にグローバル人材を育成するという大きな目標を掲げています。 この目標を達成し、国際競争力のあるIT企業へと成長していくためには、TCSとの持続的で強固な連携が不可欠です。今後、互いの課題に対して改善を重ねながら、プログラムを継続・発展させ、両社の人材が刺激し合い、成長の喜びを分かち合える関係をより一層深めていきたいと考えています。

    ※1 日本TCS独自のオンザジョブトレーニング

    ※本事例の内容は2026年6月現在のものです。
    ※記載されている会社名・サービス名・製品名などは、各社の商標または登録商標です。

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    ANAシステムズ、日本TCSとエアラインビジネスのデジタル変革に関する基本合意書を締結 新しいタブで開く

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