株式会社乃村工藝社 様

IT刷新計画プロジェクト

ITシステムの刷新で経営リスク低減と生産性向上を進展

 

プロフィール

株式会社乃村工藝社
創業:1892年
本店所在地:東京都港区
事業内容:集客環境づくりの調査・コンサルティング、企画、デザイン・設計、制作・施工ならびに各種施設・イベントの活性化、運営管理
http://www.nomurakougei.co.jp/

 

内装・ディスプレイ業界のリーディングカンパニー
乃村工藝社様は明治期に創業され、菊人形の大規模な舞台演出を手掛けられた、120年以上の歴史を持つ企業です。ディスプレイの先駆けとして、当時の人々に驚きと感動を与えた大胆な発想と実現力は、多彩なジャンルにステージを広げて今日に至ります。近年の制作実績としては、NGT48劇場、博多エキナカ「マイング」、東京ソラマチ商業施設などが挙げられます。

 

社会的要請に応えリスクを低減しつつグループの生産性を向上する

株式会社乃村工藝社様(以下、乃村工藝社様)は、内装・ディスプレイ業界のリーディングカンパニーとして、「空間づくり」およびそれらの「モノづくり」を中核としながら、さまざまな周辺商品・サービスを提供し、各種施設、イベントにおける内装・展示の企画、デザイン・設計、制作・施工、運営管理を実施しておられます。同社は年間7,000件を超える多くのプロジェクトを通じて、クライアント事業の繁栄・発展に貢献されています。

近年、上場企業に対する内部統制やコンプライアンス強化の社会的要請がますます高まる中、乃村工藝社様はそうした社会的要請に応え、経営リスク低減と生産性向上のために、ITシステムの刷新による業務品質の向上に乗り出されました。

このプロジェクトに当たって、パートナーとして選定していただいたのが日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(日本TCS)でした。乃村工藝社様のリスクマネジメント部業務管理課長の田中良志様は、日本TCSを選んだ理由を次のように語ります。「日本TCSには、プロジェクト開始の約1年前から当社の業務プロセス改善のコンサルティングを担ってもらっていました。当社の複雑な業務フローを深く理解し、要求事項を的確にまとめるコンサルティング力や、その要求事項をスピード感を持ってITの力で実現化できると確信した点が、今回のIT刷新プロジェクトのパートナー選定の決め手になりました」。

 

ビジネススピードを緩めることなく社内統制を強化する

このプロジェクトは2014年の10月に始まりました。プロジェクト第1期は、単に社内ルールを厳しくするだけでは事業部門の社員のタスクが増大し、業務効率が低下してしまうため、経営リスクの低減とグループ全体の生産性向上の両立が主眼に置かれました。

この目的を果たすために、マイクロソフトのSharePointポータルサイトの構築、Office365を用いたコミュニケーション基盤の刷新、そして基幹システムのインターフェイス刷新を実施されました。経営企画部情報システム課長の石松昇様は、「当社はJOB(プロジェクト)ごとに社員をアサインして業務を進めています。従来、JOBに関する情報は個人のパソコンの中で管理され、必要な時に社内ネットワークで共有されるという構造でした。約900名の社員が、年間7,000件を超えるプロジェクトを遂行する中、ネットワーク上にフォルダーをつくったりメンバーに権限を付与したりするために、申請書を各部署に回したり、煩雑な間接業務の負荷が重荷になっていました。成長し続ける当社のビジネスのスピードを維持するためには、システム刷新が急務でした」と言います。過去のJOBに関する情報の所在がわかりにくく、後から検索することが難しいことも大きな問題だったとのことです。「お客様は、当社が提供する魅力的な空間などの成果に対価を払ってくださいます。間接業務にかかる時間やコストを削減してお客様に還元することこそ、私たち管理部門の責務であると考えました」(石松様)。

こうした問題意識の下、乃村工藝社様は日本TCSが提案したSharePointとOffice365を連動させた情報の一元化に取り組まれました。既存のメールやスケジュール機能は全てOffice365のOutlookに統一し、SharePointのポータルサイト上に表示します。同様にJOBに関する情報を集約したJOBページをポータルサイト上につくり、JOBに関わる文書や実行計画などを同ページで一元管理することとしました。これらの刷新により、内部統制やコンプライアンスといった経営リスクに対応するコミュニケーションの効率が上昇するとともに、過去に蓄積した知見の散逸を防ぐことが可能となりました。これにより、間接業務負荷が約30%削減されたとのことです。

加えて大きな刷新を行ったのが、NTTデータのintra-martを用いた、社内統制強化のための基幹システムインターフェイスです。JOBの初期段階では、案件名と期日等の情報を入力しますが、案件が進行していくにつれて、原価の管理や外注管理などをこのインターフェイス上で行っていくこととなります。「JOBの完了までの間にはさまざまなリスクが生じます。お客様はその見積もりでご納得いただいているか。原価の上昇はないか。営業が立てた実行計画に対してクリエイティブ部門、プロダクト部門のメンバーは合意をしているのか。案件に関わるさまざまな情報をインターフェイスから入力し共有可能とすることで、JOB全体の赤字リスクを低減しました」(田中様)。

乃村工藝社様によると、IT刷新前と比べてグループ全体の営業利益率が向上するなど、収益にも効果が見られたそうです。その要因の一つとしては、従来から推進していた業務ルールと教育に第1期の刷新が加わることで歯車が回り出し、1人当たりの仕事量は大きく増えていないにもかかわらず、リスクを予防し業務効率が向上したことが挙げられるといいます。

 

経営情報の可視化により生産性を向上

続く第2期では情報の可視化に取り組まれました。経営陣に対して経営情報をリアルタイムでわかりやすく分析、提示するために、「マネジメントビュアー」が導入されました。マネジメントビュアーは進行中のJOBの数や内容、それらの達成状況や今後の予定などのビジュアル化により、迅速に経営状況を可視化し、ビジネスの品質向上とスピードアップに貢献しています。

また乃村工藝社様は、パートナー企業に関する情報を集約するために「協力社ビュアー」を開発されました。これは各企業への発注実績などを一覧できるツールです。「それまでも協力社のデータベースは存在していましたが、パートナー企業について調べたいときには、電話で上司や同僚に尋ねる必要がありました。各企業の強みや地域でのシェアなどをシステム上で簡単に把握できるようにすることで、スピーディにより適切なパートナー企業の選定が可能となり、発注先の集約化が進んだことも営業利益に貢献しています」(石松様)。

さらに人財マネジメントを効率化するため、「ヒューマンリソースビュアー」が導入されました。これにより、従来型の人事情報システムでは把握することができないグループ全体の人財情報を、マクロな視点から個人の単位まで可視化し確認することが可能なシステムとなりました。

 

豊富な知見の提供と公平・公正な目線を備える日本TCSの提案に期待

当プロジェクトの今後について、より新しいビジネススキームを実現するようなシステムを構築していく必要があると石松様は語ります。「当社がリーチできていない分野を可視化したり、過去の事例からビジネスモデルを提案したりするシステムの導入や、成果を上げている営業職の標準行動を分析することもあり得ます。さらにはAIを取り入れるなど、複雑化するビジネスを支援し、基幹システムの刷新を通じてリスク低減と業務効率化を進めていきたいと考えています。今後も日本TCSには、公平・公正な立場から、ビジネスに貢献するITを提案してくれることを期待しています」(石松様)。

また田中様も日本TCSの知見に期待していると話します。「当社の業務を熟知した乃村工藝社のパートナーとして、またタタコンサルタンシーサービシズ(TCS)のグローバルな知見を生かし、時にはわれわれの想像を超える斬新かつ、先を見据えた提案が出てくることを期待しています」(田中様)。

 

※掲載内容は2017年2月時点のものです