シーメンスヘルスケア株式会社 様

カスタマーサービスの
デジタルトランスフォーメーションをリード

〜アジャイル手法の新たな指標〜

 

カスタマーサービスの品質向上のため、俊敏で柔軟なアジャイル開発手法によりカスタマーサービスエンジニアディスパッチをデジタル化。顧客満足度を高め、持続的な成長を確実なものに。

 

プロフィール

シーメンスヘルスケア株式会社

設立:1979 年
本社所在地:東京都品川区
事業内容:診断または測定用品、医療用具、医薬品および工業薬品ならびにその関連製品の開発、製造、輸入販売および輸出ならびに医療機器の修理

 

カスタマーサービスの改善を目指す

シーメンスヘルスケア株式会社(以下、シーメンスヘルスケア)様は、CTスキャナやMRI(磁器共鳴診断装置)などの画像診断装置および体外診断薬・機器の輸入販売・アフターサポートをはじめ、日本の医療機関のパートナーとして長年にわたり高付加価値、高効率なサービスを提供されています。日本の医療機関を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、「プレシジョン・メディシンの拡充」「医療サービス提供の変革」「ペイシェント・エクスペリエンスの向上」、そしてこれら全てを下支えする「医療デジタル化の推進」という四つの価値の提供をお客様への約束として掲げ、個々の製品やサービスが持つ優れた技術や特性だけでなく、その先にある真の価値を実感していただくことを目指しています。

こうした価値の提供を通じてより信頼されるパートナーとなるために、シーメンスヘルスケア様では常に医療に携わる方々の意見を重視し、顧客満足度に代わる指標として注目を集めているNPS(Net Promoter Score)を導入しています。会社やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるかを測る中で、課題として浮かび上がってきたのがカスタマーサービス品質のさらなる向上でした。シーメンスヘルスケア様のカスタマーサービス事業本部 取締役事業本部長の金原 修様は、「お客様の満足度向上のためには、課題解決をスピーディーに行うことが重要なポイントとなります。顧客体験を最大化するため私たちはカスタマーサービスプロセスの改善に取り組むことを決めました」と2016年当時の状況を振り返ります。

 

 

Service Nowを活用し将来を見据えた改革に取り組む

そして2016年9月9日、立ち上げの日にちなんで「P99」と名付けられたプロジェクトがスタートしました。IT部門の責任者として全体の取りまとめを担ったアジアパシフィック日本 IT本部本部長の長谷川 勇一様は次のように語ります。

「当時、さまざまな情報やツールを用いお客様サポートを実施していました。ここに業務効率の課題があることはIT部門としても把握しており、デジタルトランスフォーメーションによってお客様満足度の向上をサポートできるのではないかと仮説を立てました。そこにカスタマーサービス部門から今回のプロジェクトの話があり、一体となって取り組むこととなりました」

プロジェクトを進めるに当たり、金原様からは「今あるシステムをデジタル化するだけでは意味がない。将来を見据えて、カスタマーサービスがどうあるべきかを考えてもらいたい」という難しい要求もあり、日本独自でシステムを構築するのではなく、将来的なグローバルとの連携も視野に入れ、シーメンス様がグローバルで採用していたServiceNowの導入を決定。ServiceNowは、企業のワークフローをデジタル化するソリューションとして数々のグローバル企業で採用されています。プロジェクトスタート時には、ドイツからIT部門の責任者が来日するなど、グローバルの後押しがあったことがこのプロジェクトの推進力の一つになったといいます。

ServiceNowについてはタタコンサルタンシーサービシズ(TCS)でも多くの導入実績とノウハウがあり、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(日本TCS)をプロジェクトのパートナーとして選定していただいた大きな理由の一つとなりました。

 

アジャイル開発へのチャレンジ

シーメンスヘルスケア様にとって、このプロジェクトにおける最大のチャレンジとなったのが初めてのアジャイル開発の採用です。

「約20年もかけてつくり上げてきたものを新しいものに取り換えていく上で、デジタルトランスフォーメーションが必須であり、経営環境や会社の状況に応じて最適かつスピーディーな開発を実現するアジャイル型しかないと考えました」(長谷川様)

シーメンスヘルスケア様では、プロジェクトスタート前から、カスタマーサービス事業本部の寺﨑 亮様と、IT本部の青柳 直樹様が主体となりアジャイル開発の採用を視野に入れた取り組みを開始、そしてお二人とも今回のプロジェクトに参画されました。寺﨑様は、「ビジネス側のプロジェクトマネージャーとして、MVP(Minimum Viable Product)の考え方で本当に必要なものだけを投下して成果を出さなければならないというプレッシャーはありましたが、逆にそれが常に前を向いて結果を出していくという原動力にもなりました」と語ります。スクラムマスターとして開発の現場を管理された青柳様は、「ビジネスプロセスはもちろん、文化の異なる2社が最終的にはワンチームになれたことがプロジェクト成功の要因の一つだと思います」と言います。

また、プロジェクト成功の要因として全員の方が挙げるのが「アジャイル部屋」の設置です。専用の部屋でメンバーがしっかりとコミュニケーションを取り、オフショアともオンラインで直接コミュニケーションを取り、デイリースクラムミーティングを実施するなどの工夫をしたことで、コミュニケーションミスを減らせたといいます。

日本TCSを選定していただいたもう一つのポイントがアジャイル開発の実績であり、オフショアの開発力の高さでした。また、今回のプロジェクトでは、後に日本TCSのAgile Ninja Coach3人のうちの2人に認定されたアジャイルのスペシャリストやドメインコンサルタントをアサインしてご支援したことを高く評価していただきました。「長く続けるプロジェクトだからこそ、パートナー選びには、技術力、ビジネスへの理解・ケーパビリティを重視し日本TCSをパートナーに選びました。加えて、インドの優秀なIT人材を活用できるというのも決め手の一つでした」(長谷川様)。

 

目指す姿はデジタル・コールセンター

2018年10月、「P99デジタル・ディスパッチ」によるシステムが稼働。

「アジャイルを採用したのですから、継続的に改善しなければならないことは確かですが、すでに成果も出ており、滑り出しとしては非常に順調だと受け止めています。現在では、このプロジェクトが当社の全社的なデジタライゼーションをけん引しており、さまざまな効果を生み出しています。嬉しいことにグローバルでも認知されており、今後は、デジタルカンパニーを目指すシーメンスヘルスケアのグローバルの方針の下、日本も歩調を合わせさらなる進化に取り組んでいきます」(金原様)

長谷川様は、「今のお話しの通り、このプロジェクトは長い旅の第一歩にすぎません。このベースを生かして、ユーザーの声を聞きながら、より良いものを継続的に出していきます」と抱負を語ります。また、寺﨑様はエンジニアの移動時間の短縮、青柳様はグローバルのガバナンスに準拠したプロセスを理解・実行したことを、プロジェクトの成果の一つとして挙げます。

今後、シーメンスヘルスケア様ではAI等を活用したデジタル・コールセンターの確立を目指し、引き続き進めていかれる予定です。長谷川様は、「このプロジェクトは、当社と日本TCSが互いにアジャイルの経験を高め、両社で成長できたプロジェクトです。今回の経験を生かし、次のフェーズでの支援も期待しています」と話します。

今後、さらにカスタマーサービスの改善を進めていくと話す金原様。日本TCSに対しては、次のように語ります。「当社のビジネスを理解していただき、またさまざまな要求に真摯に対応していただき、良いパートナーに恵まれたと思います。2025年の崖という節目も目前に迫ってきており、当社がより良いカスタマーサービスを実現するために、引き続き一緒に取り組んでいただきたいと思います」(金原様)。

日本TCSは、グローバルで培ったアジャイルの知見とこのプロジェクトでの貴重な経験を生かし、シーメンスヘルスケア様の持続的成長をご支援してまいります。

 

 

Profile


金原 修 様

シーメンスヘルスケア株式会社

カスタマーサービス事業本部

取締役 事業本部長

 

 

長谷川 勇一 様

シーメンスヘルスケア株式会社

アジアパシフィック日本

IT本部 本部長

 

 

寺﨑 亮 様

シーメンスヘルスケア株式会社

カスタマーサービス事業本部 ビジネスサポート本部

ストラテジー&プロセスグループ

 

青柳 直樹 様

シーメンスヘルスケア株式会社

IT本部

ローカルアプリケーション リーダー

 

※掲載内容は2020年2月時点のものです

 


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寺﨑 亮 様

シーメンスヘルスケア株式会社

カスタマーサービス事業本部 ビジネスサポート本部

ストラテジー&プロセスグループ