インド最大級かつ世界有数のITサービス企業、タタコンサルタンシーサービシズ(以下、TCS)。その日本法人である日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社(以下、日本TCS)では、GCP(グローバルコンサルティングプラクティス)のコンサルタントを募集しています。GCPはTCSが誇る実行力と、日本市場に即したコンサルティング力を強みに、さまざまな業界の変革をリードしています。今回は、GCPを率いる2名のリーダーに、日本TCSでコンサルタントとしてキャリアを重ねる魅力について伺いました。
──はじめに、GCP(グローバルコンサルティングプラクティス)の設立経緯や事業概要についてお聞かせください。
TCSは世界第2位のITサービス企業として、欧米を中心に存在感を示してきました。一方日本市場では、ビジネス文化や商習慣の違いから、必ずしも順調な展開ができているとは言えなかったのが事実です。
日本では、企業が業務要件やシステムのニーズを明確に言語化する文化が根付いておらず、TCSが得意とする合理的なスタイルが生かしにくい面がありました。こういった状況を解決するべく設立されたのがGCPです。テクノロジーの導入にあたり、顧客の要望を的確に整理・明文化し、実行可能な仕様へと導くことをミッションとしています。
GCPは4つのチームで構成されています。1つ目は「Go to Market」で、顧客ニーズが明確になる前段階から対話を重ね、潜在的な需要を掘り起こします。2つ目は「Cloud and Data Transformation」で、AIやデータ活用を見据えたクラウド設計を支援します。3つ目は「Business Process Consulting」。業務の標準化を推進し、SAPやSalesforceの導入につなげる役割を担います。そして4つ目は「Transformation Execution」。PMOサービスを通じて、顧客のITプロジェクトを推進しています。
──GCPの強みや優位性として、何が挙げられますか。
GCPの強みとして、グローバルな合理性と論理的なアプローチを日本に持ち込める点にあります。インドのメンバーとともに進める日本TCSのプロジェクトでは、慣習や前例にとらわれず、理想的な業務・システムの形を追求する姿勢が貫かれています。こうしたスタンスは、従来の「言われた通りに作る」日本的なIT開発の姿勢とは一線を画しています。
もう1つは、システムの構想から実装までを見据えたEnd to Endのコンサルティングができる点です。システム構築を他社に委ねるコンサルティングファームも少なくないなか、TCSでは自社のSI部門と連携し、現実的な見積もりをし、必ず実行可能な形で提案します。結果として発注側の要件定義力も養われ、グローバルスタンダードに即したIT推進が実現できるのです。
このように、お客様が日本国内を超えて価値を創出していくためのGatewayとなり、将来的にはお客様が自身で歩めるような伴奏型の支援がお客様からも高く評価されている部分です。
グローバルな環境でコンサルタントのキャリアに磨きをかける
──GCPの今後の成長戦略をお聞かせください。
まず注力していくのはインダストリー軸の強化です。特に製造とハイテク業界は、業務プロセスやシステムの標準化、データの可視化などで多くの課題を抱えており、継続的な支援が必要とされています。これに加え、金融業界へも注力していきます。TCS全体では、金融業界での売り上げが3分の1を占める一方、日本ではまだ成長余地が大きく、専任のコンサルタントの強化が必要だと考えています。
次に重要なのがITモダナイゼーションです。日本にはクラウド化されていないアプリケーションやメインフレームが多く残っており、これらを最新の環境に移行するニーズが高まっています。システム移行に不可欠なテスト工程では膨大なリソースが必要ですが、国内だけでは人材の確保が難しいため、生成AIの活用やインドのリソースとの連携を通じて対応を進めています。
また、AI活用の支援も柱となるでしょう。学習に必要な独自のデータの整備こそが差別化の鍵と捉えており、企業が保有する非構造データや暗黙知の形式化を支援する取り組みに今後さらに注力していきます。
──求める人物像についてお聞かせください。
何よりも重視しているのは「テクノロジーが好きであること」です。当社はテクノロジーカンパニーであり、GCPは技術をベースとしたコンサルティングを行う組織です。論理的思考力やコンサルティングスキルももちろん重要ですが、それ以上に技術そのものに対する興味や探求心を持っている方が、この環境には向いていると感じます。
次に求めるのが「リーダーシップ」です。GCPのコンサルタントは、営業とともにお客様を訪問し、課題を見つけ出したうえで、社内のSI部門とも連携しながら最適な解決策を導いていく役割を担います。この一連のプロセスをリードする立場であるからこそ、さまざまな関係者を巻き込み、前に進めていけるリーダーシップは不可欠な資質と言えます。
──今、GCPに参画する魅力は何でしょうか。
まずは、インドの豊富なITリソースを活用しながら、日本企業の競争力を高めていくという、新たな取り組みに挑戦できることです。海外エンジニアの活用という観点からも、日本産業全体に影響を与えうる重要なチャレンジだと感じています。
また、組織として成長途上にあるからこそ課題も多く、同時にさまざまな挑戦の機会が存在しています。早期に責任あるポジションを担える可能性も豊富にあり、キャリアにおいて貴重な経験につながります。グローバルな環境で英語を使って業務に取り組む機会も多く、グローバルで通用するビジネススキルを早期に伸ばす機会となるでしょう。
──中鹿さんがリードされている、データ領域のコンサルティングチームの概要を教えてください。
私たちは、企業のデータ活用を本質的に支援し、テクノロジーと業務知見の融合を目的としたコンサルティングチームです。単にデータ基盤の構築やAIの導入にとどまらず、データとAIを結びつけていかに価値を生み出すか、その全体像を設計し、プロジェクト遂行まで伴走しています。
データはインプット、AIはアウトプットですが、それぞれ単独では機能しません。両者をつなぐためには、データの品質や鮮度、適切なガバナンス、さらにはセキュリティといった広範な要素を整備する必要があります。私たちは、それらも含めた広い領域をカバーしており、「データとAI」に限定された範囲にとどまらず、企業のデータドリブンな変革を支える広い視野を持った支援を行っているのが特徴です。
──GCPのデータチームならではの強みや優位性は何ですか。
GCPのデータチームの強みは、TCS全社が持つ高いIT実行力に支えられている点にあります。TCSはこれまでシステムインテグレーターとして、世界中で豊富な実績を積み重ねてきました。今日のビジネス課題にはほぼ例外なくデジタルソリューションが求められます。
しかし、ソリューションを構想するだけでは不十分です。実際には、システムの実装や運用までを含めた総合的な支援が不可欠であり、それを現実的に遂行するには、高度な経験と体制が必要です。そこに、世界有数のシステムインテグレーターであるTCSの強みが発揮されます。
特に、新技術のPOC(概念実証)までは比較的スムーズに進められても、それを本番環境で安定的に稼働させるのは別次元の難しさがあります。当社では、経験に裏づけられた高い実行力のうえにコンサルティング機能があるため、構想から実行・運用までを一貫して支援できる点が大きな価値だと考えています。
前例にとらわれず、創造力を生かしてチャレンジができる
──中鹿さんは2024年にキャリア入社されています。転職の経緯や入社の決め手をお聞かせください。
これまで外資系コンサルティングファームなど複数の企業でキャリアを重ねてきましたが、一貫して大切にしてきたのは、「ビジネス課題に向き合う」という姿勢です。日本TCSへの転職を決めたのは、そうした課題に対して、幅広いケイパビリティを自由度高く活用できる環境があるからです。AIや量子コンピューティングなど技術の進化が著しい今、特定のソリューションに縛られず、最適な手段を柔軟に選べることは大きな魅力でした。
また、入社後に驚いたのは、日本TCSがすでに日本市場に深く入り込んでいるということです。SI業界は、実績が表に出にくいため、入社前は日本TCSの規模や存在感をつかみにくかったのですが、実際に入社してみると、非常に広範かつ深く日本の市場に根付いていることがわかり、よい意味で驚かされました。
──データ人材にとって、貴チームで働く魅力ややりがいは何でしょうか。
当チームで働く魅力は、まさに「新しい領域」に挑戦できることです。AIやデータといったテクノロジー面での新たな挑戦はもちろんですが、それ以上に重要なのは、IT部門と業務部門の融合が求められるという点です。
最近では業務部門にいる人もITの知見を持って仕事をするケースが増えています。このような環境下で、両者の融合を見据えながらデータ活用の支援に取り組むこと自体が新しい挑戦であり、われわれにとっても、お客様にとっても未知の領域です。
決まったフレームワークがあるわけではなく、必要な仕組みをともに作り上げ、実績を重ねながらチームとしてのスタンダードを構築していく――。この柔軟性と創造性のある環境で働くことが、大きなやりがいにつながると考えています。
──GCPのカルチャーやメンバーの魅力をお聞かせください。
GCPには、自主性と多様性を大切にするカルチャーが根付いています。新しい領域に挑むことは、決まったレールが存在しないということでもあるため、自ら考え、レールを敷いて物事を前に進めていける人が活躍しています。
バックグラウンドや知見が異なるメンバーが集まるなかで、それぞれが信念を持ち、自分の考えをしっかり主張し、議論を交わせる環境が整っているのもこのチームの魅力です。議論にはフラットな関係性が不可欠であり、意見のぶつけ合いからより良いアウトプットが生まれています。
働き方にも柔軟性があります。対面でのミーティング、時にはリモートと状況に応じた選択をしてチームとしての業務効率の最大化を図る形で働き方を決めています。
出典:ビズリーチ 公募ページ「日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社」
(2025年6月11日公開)より転載