TCS、生成AIとAIエージェントを活用したTCS MasterCraft™の最新版を発表、レガシーシステムのモダナイゼーションを迅速化

生成AIとAIエージェントを活用したTCS MasterCraft^™が、企業のモダナイゼーションのコストを従来比で70%以上削減し、2倍のスピードで成果を実現

このページは、2025年5月6日（現地時間）、英国・ロンドンならびにインド・ムンバイで発表されたプレスリリースの日本語訳です。発表内容の詳細は原文をご覧下さい。

ロンドン｜ムンバイ、2025年5月6日：タタコンサルタンシーサービシズ（TCS）は、生成AIとAIエージェント^*を活用したTCS MasterCraft^™（マスタークラフト）の最新バージョンをリリースしました。このソリューションは、レガシー・アプリケーションのモダナイゼーションプロセスを自動化し、手作業によって生じる移行コストと所要期間を大幅に縮減します。最新版は生成AIとAIエージェントによって機能が強化されており、企業はビジネスロジック（業務機能）をより迅速かつ正確にマイニング（解析）できます。TCS MasterCraftの最新バージョンを活用した自動化により、従来比でコストを70%以上削減し、2倍の速さで成果を達成することができます。

^*AI Agent: 組織に代理して自律的に意思決定、行動する権利を付与された、目標主導型のソフトウェアエンティティ。

デジタル変革を推進する企業は、増大する技術負債、高額な保守コスト、専門家の不足、ドキュメントの不足など、レガシー化した膨大なアプリケーションやデータにまつわる課題を克服する必要に迫られています。多くのモダナイゼーション・ソリューションは、レガシーシステムの移行に重点を置いていますが、複雑なプログラムには多額の費用がかかります。また、古いアプリケーションを新しいテクノロジーに移行すると、新たなレガシーシステムを生むこととなり、保守性が低下する可能性があります。生成AIとエージェント型AIを活用したTCS MasterCraftのソリューションは、こうした陳腐化のリスクを軽減し、企業が市場で持続的に成功できるよう支えます。

北米の大手銀行は、生成AI搭載のTCS MasterCraftを活用して、メインフレーム・アプリケーションを変革しました。TCSは、モダナイゼーションを通じて従来のアプローチに比べて2倍の生産性向上を実現し、デリバリーまでの時間を3分の1に短縮しました。中央集中型のナレッジリポジトリ^*も作成し、業務量を90%削減しました。また、米国のグローバル金融サービス大手に向けて、最新の生成AIとエージェント型AIを搭載したTCS MasterCraftを活用し、5,000万行を超えるレガシーなCOBOLコードを最新言語のひとつであるJavaに移行しました。これらのプロジェクトは、企業のモダナイゼーションを加速させるとともに、一元管理され繰り返し利用可能なアプリケーションのナレッジベース^**構築にも寄与しています。

^*Knowledge Repository: 組織の知見を収集、整理、保存、共有するためのシステム
^**Knowledge Base: 業務に関する知見を集約したデータベース

市場調査会社Everest Group プラクティスディレクターのザカライア・チライル（Zachariah Chirayil）氏は、次のように述べています。

「企業はデジタル変革を進める中で、既存のIT環境を見直し、可能な限りクラウド・プラットフォームと統合するとともに、レガシー・アプリケーションのモダナイゼーションを進めています。AIを搭載した自動化のための包括的なソリューションであるTCS MasterCraftは、企業のメインフレームアプリケーションをモダナイズし、モノリシックアプリケーションをマイクロサービスに分割して再構築し、メインフレーム業務を最適化します。TCSは、広範なパートナーシップやネットワークと、メインフレームに関するビジネス要件への深い専門知見を駆使して、さまざまな企業に向けて高度にパーソナライズし、また各業界に特化したソリューションを提供しています。TCSの地理的な制約から解放された運用モデルと組織変革・管理へのアプローチにより、メインフレームはスムーズにモダナイズされており、TCSはメインフレームとクラウド技術の両方に精通していることで、顧客企業の高い評価を得ています」

TCS バイスプレジデント兼コンポーネントエンジニアリング部門およびデジタルソフトウェア＆ソリューション部門ヘッドのアシュヴィニ・サクセナ（Ashvini Saxena）は、次のように述べています。

「企業は、さまざまなテクノロジーやアーキテクチャを活用した大規模なアプリケーションを長い間保有してきました。TCSは長年にわたりインテリジェントな自動化による技術刷新に取り組み、数百件もの複雑なモダナイゼーション・プログラムを成功させてきました。現在、世の中で提供されているソリューションの多くでは、こうしたモダナイゼーションプログラムの実現に多額のコストがかかります。TCSは、生成AIとAIエージェントを駆使してビジネスに有益な情報を抽出・活用し、ケイパビリティを強化して、多様な設計リポジトリを備えた保守性の高いアプリケーションやデータを提供しています」

2012年以来、TCS MasterCraftは、お客さまのレガシーシステムを、変化し続けるビジネスニーズに対応して継続的に進化できるよう、最新かつ拡張性の高いクラウドネイティブなアプリケーションへと変革するサポートをしてきました。サービスを開始して以来、10年以上にわたり、新たな技術革新に適応し、破壊的イノベーションを積極的に取り入れ、さまざまな業界のお客さまに業界最高水準のソリューションを提供してきました。そして今回、この自動化を主体としたモダナイゼーションソリューションにAIの領域が加わりました。AIエージェントによる機能拡張により、TCSの膨大なナレッジベース、ベストプラクティス、および各目的に特化したAIエージェントを組み合わせ、さまざまな種類の複雑なモダナイゼーションにおいて従来の課題を解決します。

機能強化された最新版により、新しいITシステムは将来のアップグレードや変更にも対応できます。TCS MasterCraftのアップグレードは、複雑なビジネスプロセスを簡素化・最適化するソリューションを提供しようという、TCSが注力している広範にわたる取り組みの一環です。さらに、TCS MasterCraftのインテリジェントな自動化により、プロセス全体を通してヒューマン・イン・ザ・ループ（一部の判断や制御に人間が介在すること）による意思決定が可能になります。DevSecOpsのプロセスを統合することにより、エンド・ツー・エンドのモダナイゼーションを継続的かつ確実に実現します。TCSは、業界全体に影響を与える変化に積極的に適応しており、AIは既に多くのプロジェクトを牽引しています。2025年度第4四半期には、AIを中心とした約580件の契約を締結しました。さらに、エージェント型AIへの投資にも優先的に取り組んでおり、金融サービス、会計、サプライチェーン管理といった分野において、150以上の特化型ソリューションを開発しています。

以上

タタコンサルタンシーサービシズ（TCS）について

タタコンサルタンシーサービシズは、世界の様々な業界を牽引する大手企業からデジタル変革およびテクノロジーパートナーに選ばれています。1968年の創業以来、最高水準のイノベーション、卓越したエンジニアリング、カスタマーサービスを提供してきました。

タタ・グループの伝統を礎とするTCSは、お客さま、投資家、従業員、そして地域社会に長期的な価値を創造することに注力しています。世界55カ国に60万7,000人を超えるコンサルタントを擁し、世界180カ所にサービスデリバリーセンターを擁するTCSは、世界各地でトップ・エンプロイヤーに認定されており、新技術を迅速に適用・拡張する能力を活かしながら、お客さまとの長期的なパートナーシップを構築し、適応力のある企業への成長と変革を支援しています。こうした関係は数十年にわたり継続し、1970年代のメインフレームから現在のAIに至るまで、あらゆるテクノロジーサイクルを乗り越えてきました。

TCSは、人々の健康、サステナビリティ、さらに地域社会のエンパワーメントの促進に重点を置き、TCSニューヨークシティマラソン、TCSロンドンマラソン、TCSシドニーマラソンなど、世界で最も権威ある14の都市マラソンおよび耐久レースをタイトルスポンサーとして支援しています。2025年3月31日を期末とする会計年度において、TCSの連結売上高は300億米ドルに達しました。

TCSの詳細についてはwww.tcs.comをご覧ください。