プレスリリース
2025年12月9日
製造業のリーダーの74%が、2028年までにAIエージェントが日常的な生産に関する意思決定の大部分を担うようになると予想
調査対象となったリーダーの89%が、AI導入の拡大に伴い製造現場において人間とAIの協働がより一層進むと予想
このページは、2025年12月3日(現地時間)、米国ラスベガスならびにインド・ムンバイで発表されたプレスリリースの日本語訳です。発表内容の詳細は原文をご覧下さい。
ラスベガス|ムンバイ、2025年12月3日:タタコンサルタンシーサービス(TCS)は、Amazon Web Services(AWS)と共同で「Future-Ready Manufacturing Study 2025」(2025年未来の製造業に関する調査)の結果を発表しました。本調査により、世界の製造業が、インテリジェンス*に基づくオペレーションと、より高度な自律性を備えた製造プロセスへと急速に移行していることが明らかになりました。
*AIや高度なデータ分析によって得られる知見や判断力
本調査では、製造業各社が自律化、意思決定の高度化、そして未来対応型のオペレーションを支えるために、デジタル基盤やデータ基盤をどのように強化しているかを、データに基づいて示しています。回答者の75%が、2026年までにAIが営業利益率に寄与する主要因のトップ3に入ると予測している一方で、AI導入に十分な体制が整っていると答えた企業はわずか21%にとどまり、工場およびサプライチェーン全体で、データの整備やシステム連携、IT環境の整備が不十分で、AIを本格的に導入するための土台が欠けていることが浮き彫りになりました。
本調査は、北米および欧州の自動車、産業機械、航空宇宙・防衛、プロセス産業、化学、重機分野を代表する216名の経営層を対象に実施しました。企業がAI、クラウド、リアルタイム分析を活用した新しい製造の時代に対応するために、データ基盤の再構築、人材のスキル強化、サプライチェーンの透明性向上、さらにオペレーションフレームワークの刷新にどのように取り組んでいるかを明らかにしています。
主な調査結果
TCS 製造部門プレジデントのアヌパム・シンガル(Anupam Singhal)は、次のように述べています。
「製造業は、精度、信頼性、高いパフォーマンスを追求し続けることで成り立っています。現在、こうした製造業の基盤は、AIによる意思決定のオーケストレーションによって何倍にも強化され、予測性、安定性、制御性の向上を通じて、革新的なビジネス成果をもたらしています。TCSはこれを大きな機会と捉え、インテリジェントな自律化が進む時代において、製造業がレジリエントで適応力が高く、将来を見据えたエンタープライズエコシステムを構築し、成長できるよう支援しています」
製造業が基盤的なケイパビリティへの投資を深める中、リアルタイムのインテリジェントな意思決定や、工場およびサプライネットワーク全体におけるオペレーションの透明性向上に向けた明確な道筋が見えはじめています。工場レベルでは、AIを活用した品質管理や生産計画の取り組みが始まっており、約40%の企業が、まだ初期段階ながら既に測定可能な成果を報告しています。
高度な自律化に向けた動きはますます加速しており、製造現場の意思決定プロセスにおいて、エージェント型AIが中心的な役割を果たすと期待されています。経営層の約4分の3が、今後3年以内にAIエージェントが日常的な生産に関する意思決定の最大半分を担うようになると見込んでおり、これはAIが自律的に各プロセスを調整し、最適化する仕組みへの移行が進んでいることを示しています。同時に、製造業の30%以上が、AI主導のモダナイゼーションによって生産性が大幅に向上すると予測しています。こうした変化は、業界が単なる近代化にとどまらず、製造バリューチェーン全体で、より高度なインテリジェンス、レジリエンス、そしてアジリティ(俊敏性)を備えたオペレーションへと進化しようとしていることを示唆しています。
AWS 自動車・製造部門ゼネラルマネージャーのオズグル・トフムチュ(Ozgur Tohumcu)氏は、次のように述べています。
「製造業は今、利益率の低下、変動の激しいサプライチェーン、人材不足など、かつてないほどの大きな困難に直面しています。AWSでは、AIを活用した自律型オペレーションを通じて製造業を革新し、手作業中心の事後対応型のプロセスから、自ら学習しながら運用を最適化する、インテリジェントでスケール可能なシステムへの転換を進めています。オペレーションのあらゆる側面にAIを組み込み、クラウドネイティブなアーキテクチャを活用することで、単なる自動化を超えて、人間の介入を最小限にしながら、システムが予測・適応・行動する真の自律的意思決定が実現します。これにより、単に即応性が向上するだけでなく、AIによる予測性、レジリエンス、アジリティを備えたオペレーションへと根本的な変革が実現します。本調査は、製造業の未来が単なるデジタル化ではなく、学習し、進化し、常時稼働するAIに支えられた自律化にあることを明確に示しています」
TCS は、2025年12月、米国ラスベガスで開催されたAWS re:Invent で 「Physical AI Blueprint」 を発表しました。このソリューションは、製造業者が フィジカルAI を活用した自律監視、リアルタイムの検査インテリジェンス、より安全で回復力の高い産業オペレーションを実現できるよう支援します。
TCSは数十年にわたる経験を背景に、バリューチェーン全体で製造業の信頼できるパートナーとして、業界横断的なOEM、ティアnサプライヤー(サプライチェーンのあらゆる階層のサプライヤー)、そしてグローバルなバリューチェーンエコシステムを支援しています。コンサルティング、ITモダナイゼーション、エンジニアリング、製造プロセスのデジタル化、クラウドプラットフォーム、そしてAI主導型のオペレーションを組み合わせることで、TCSは企業が真に将来に備えた体制を構築し、「未来の工場」(Factory of the Future)を実現できるようサポートしています。さらには、エージェント型AIを搭載した製造業の自律化を支援するソリューションを通じて、サプライチェーンのレジリエンス、予測型品質管理、インテリジェントな工場運営、持続可能な製造などに関する深い専門知識を活かし、企業がインテリジェントでレジリエント、かつ常に進化し続ける存在へと進化できるよう支援しています。
以上
タタコンサルタンシーサービシズ(TCS)について
タタコンサルタンシーサービシズは、世界の様々な業界を牽引する大手企業からデジタル変革およびテクノロジーパートナーに選ばれています。1968年の創業以来、最高水準のイノベーション、卓越したエンジニアリング、カスタマーサービスを提供してきました。
TCSはタタ・グループの伝統に根ざし、お客さま、投資家、従業員、そして地域社会に長期的な価値を創造することに注力しています。世界55カ国に広がる約59万人の高度なスキルを持つ人材と、世界各地に202のサービスデリバリーセンターを擁し、世界各地でトップ・エンプロイヤーに認定されています。TCSは、新技術を迅速に適用・拡張する能力を活かしながら、お客さまとの長期的なパートナーシップを構築し、適応力のある企業への成長と変革を支援しています。こうした関係の多くは数十年にわたり、1970年代のメインフレームから現在のAIに至るまで、あらゆるテクノロジーサイクルを共に乗り越えてきました。
TCSは、人々の健康促進、サステナビリティ、さらに地域活性化に重点を置き、TCSニューヨークシティマラソン、TCSロンドンマラソン、TCSシドニーマラソンなど、世界で最も権威ある14の都市マラソンおよび耐久レースをタイトルスポンサーとして支援しています。
2025年3月31日を期末とする会計年度において、TCSの連結売上高は300億米ドルに達しました。
TCSの詳細についてはwww.tcs.comをご覧ください。