TCS、堅調な受注とレジリエントな事業運営で
第1四半期を締めくくる
このページは、2025年7月11日(現地時間)、インド・ムンバイで発表されたプレスリリースの日本語訳です。発表内容の詳細は原文をご覧下さい。
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ムンバイ、2025年7月10日:ITサービス、コンサルティング、ビジネスソリューション企業であるタタコンサルタンシーサービシズ(TCS)は、Ind AS(インド会計基準)およびIFRS(国際財務報告基準)に基づき、2025年6月30日を末日とする四半期の連結決算を発表しました。
2025年6月30日を末日とする四半期の業績ハイライト
TCS CEO(最高経営責任者)兼マネージングディレクターのK クリティヴァサン(K Krithivasan)は、次のように述べています。
「世界的に不安定な経済状況と地政学的な状況が続く中、需要は減少しました。良い面としては、全ての新規サービスが順調に伸長しています。当四半期は、堅調な受注を達成しました。私たちは、お客さまと引き続き緊密に連携し、コスト最適化、ベンダー統合、そしてAIを活用したビジネス変革を通じて、お客さまが抱える課題解決を支援していきます」
TCS エグゼクティブディレクター プレジデント兼COO(最高執行責任者)のアルティ・スブラマニアン(Aarthi Subramanian)は、次のように述べています。
「業界を問わず、お客さまは特定の用途でAIを使う段階から、ROI(投資対効果)を重視しつつAIの活用を広げる段階へと移行しつつあります。私たちは、インフラ、データ基盤、AIエージェント、ビジネスアプリケーションなど、AI関連のあらゆる分野に投資しています。特に問うお四半期は、インドでAI主導の変革を加速させるため、TCS SovereignSecure™ Cloud(ソブリンセキュアクラウド)、TCS DigiBOLT™(ディジボルト)、TCS Cyber Defense Suite(サイバーディフェンス スイーツ)の提供を開始したことが注目されています」
TCS CFO(最高財務責任者)兼エグゼクティブディレクターのサミール・セクサリア(Samir Seksaria)は、次のように述べています。
「当四半期も、長期的で持続可能な成長を目指して投資を継続しました。変化の激しい状況に素早く対応できたことで、安定した利益率を確保できています。業界トップクラスの収益性と堅調なキャッシュコンバージョンにより、将来に向けて戦略的な投資を行う上で優位な状態にあります」
TCS CHRO(最高人事責任者)のミリンド・ラカド(Milind Lakkad)は、次のように述べています。
「TCSは人材育成を何よりも重視しています。当四半期に、社員の新興技術に関する専門知識の学習時間は1,500万時間を記録し、お客さまの変革をリードするケイパビリティを備えています。TCSには現在、高度なAIスキルを持つ人材が11万4,000人いることを大変嬉しく思います」
産業分野 |
構成 (%) |
Y-o-Y* CC**成長率(%) |
|
Q1 FY25 |
Q1 FY26 |
||
銀行・金融・保険 |
30.9 |
32.0 |
1.0 |
消費者向けビジネス |
15.4 |
15.6 |
-3.1 |
ライフサイエンス&ヘルスケア |
11.0 |
10.2 |
-9.6 |
製造 |
8.8 |
8.7 |
-4.0 |
テクノロジー&サービス |
8.1 |
8.4 |
1.8 |
通信&メディア |
6.2 |
5.8 |
-9.6 |
エネルギー・資源・公共 |
5.6 |
5.9 |
2.8 |
その他の産業分野 |
14.0 |
13.4 |
-8.6 |
合計 |
100.0 |
100.0 |
-3.1 |
*前年比
**恒常通貨ベース
地域 |
構成 (%) |
Y-o-Y* CC**成長率 (%) |
|
Q1 FY25 |
Q1 FY26 |
||
アメリカ |
|
|
|
北米 |
49.5 |
48.7 |
-2.7 |
ラテンアメリカ |
1.9 |
1.9 |
3.5 |
欧州 |
|
|
|
英国 |
16.9 |
18.0 |
-1.3 |
欧州大陸 |
14.4 |
15.0 |
-3.1 |
アジア太平洋 |
7.8 |
8.4 |
3.6 |
インド |
7.5 |
5.8 |
-21.7 |
中東・アフリカ |
2.0 |
2.2 |
9.4 |
合計 |
100.0 |
100.0 |
-3.1 |
*前年同期比
**恒常通貨ベース
サービス分野別
当四半期、お客さまはAIの全社的な活用拡大、コンタクトセンターの変革、コストの最適化、サイバーセキュリティの向上に優先的に取り組みました。特に、AI&データ、TCS Interactive(インタラクティブ)、サイバーセキュリティの分野が当四半期の成長を牽引しました。大型案件受注の決め手となったのは、ビジネスモデルの変革、ベンダー統合、AIを活用した高度な自動化、SAP S/4HANAを活用した変革などでした。
AI&データ:
当四半期に力強い成長を見せました。これは、企業が生成AIの試験的な導入から大規模な展開へと移行したことによります。特に、AI主導の変革、ソフトウェア開発ライフサイクルやIT運用の自動化、データ基盤のモダナイゼーションが需要を牽引しました。TCSの主力AIプラットフォームであるWisdomNext™(ウィズダムネクスト)への投資も、エージェンティックAI機能の追加により拡大しています。戦略的パートナーシップも拡大し、高度なAIスキルを持つ人材も11万4,000人を超えたことで、エンタープライズAIソリューション分野におけるリーダーシップをさらに強化しています。
クラウド:
当四半期、TCSはクラウド部門を再編し、パブリッククラウド、インフラストラクチャサービス、TCS Cloudを統合して、ハイブリッドクラウドの提案力を強化しました。クラウドを活用したコンタクトセンターの変革、レガシーシステムのクラウドへのモダナイゼーション、およびコグニティブ・エンタープライズ・ネットワーク・サービスが引き続き好調に推移しました。Microsoftとの戦略的パートナーシップも強化し、お客さまの将来を見据えたビジネス変革と成長を後押しするような、新たなAIやクラウドソリューションの開発を進めています。
サイバーセキュリティ:
当四半期、お客さまはIDおよびアクセス管理、マネージド検知・対応(MDR)、ガバナンス・リスク・コンプライアンス(GRC)サービスに注力しました。エンタープライズ・アタックサーフェス管理、クラウドセキュリティ、データセキュリティ、ネットワークセキュリティにも注目が集まっています。さらに、多くのお客さまが生成AIに高い関心を示しています。
エンタープライズソリューション:
お客さまは、AIを活用したSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)プラットフォームを導入することで、業務プロセスを効率化し、デジタルコアをモダナイズすることにますます注力しています。当四半期は、テクノロジーサービス、製造、ヘルスケア業界が成長を牽引しました。あるグローバル製薬会社向けには、SAP S/4HANAを活用してエンドツーエンドのプロセスを成功裏に設計・統合し、グローバルで強固なバックボーンを築くことに成功しました。また、Vianaiとのパートナーシップも当四半期にさまざまな業界のお客さまから高い評価を得ました。
IoT&デジタルエンジニアリング:
工場変革の取り組みやコネクテッドIoTプラットフォームへの投資が増加しました。特に、公共事業、エネルギー、ライフサイエンスといった業界で活発な動きが見られました。サービス別では、スマート製造システムやデジタルスレッドサービスが引き続き好調に推移しています。また、当四半期はラテンアメリカと欧州で多くの引き合いがありました。
コグニティブビジネスオペレーション:
カスタマーエクスペリエンス(CX)、人事、財務といった部門を変革するための大型案件を多数締結しました。ビジネスへのAI導入の成功事例が増えていることは、企業の自律的な業務運用への関心がますます高まっていることを示しています。主要なビジネスプロセス全体にわたり、エージェンティックAIソリューションの構築が順調に進んでいます。
TCSインタラクティブ:
当四半期、企業は業務効率の向上とイノベーションに注力し、データとAIを活用してパフォーマンスを高めました。TCSインタラクティブは「AIを活用した創造的なエンジニアリング(Creative Engineering powered by AI)」という網羅的なテーマで、CXとマーケティングを強化しました。AIを活用したマーケティング、アナリティクス、積極的なデジタルソリューションへの需要は伸び続けており、TCSの適応力とリーダーシップを際立たせています。特に、TCS TwinX AI(ツインエックスAI)を搭載したマーケティングキャンペーンソリューションは、ある世界的な自動車メーカーの来店客数を5倍、収益を2倍に増加させることに成功しました。
2025年6月30日現在、TCSは当期に出願した171件を含め、8,987件の特許を出願中で、当四半期に取得した119件を含め、これまで4,939件の権利を取得しています。
6月30日時点で、TCSの総従業員数は61万3,069人となりました。
当社の社員は、新興テクノロジーに 1,500 万時間の学習時間を記録するとともに、獲得した専門スキルは130万に達し、お客さまの変革への取り組みをリードする力を備えています。
ITサービス部門の過去1年の離職率は13.8% LTMでした。
以上
タタコンサルタンシーサービシズは、世界の様々な業界を牽引する大手企業からデジタル変革およびテクノロジーパートナーに選ばれています。1968年の創業以来、最高水準のイノベーション、卓越したエンジニアリング、カスタマーサービスを提供してきました。
タタ・グループ の伝統を礎とするTCSは、お客さま、投資家、従業員、そして地域社会に長期的な価値を創造することに注力しています。世界55カ国に61万3,000人を超えるコンサルタントを擁し、世界180カ所にサービスデリバリーセンターを擁するTCSは、世界各地でトップ・エンプロイヤーに認定されており、新技術を迅速に適用・拡張する能力を活かしながら、お客さまとの長期的なパートナーシップを構築し、適応力のある企業への成長と変革を支援しています。こうした関係は数十年にわたり継続し、1970年代のメインフレームから現在のAIに至るまで、あらゆるテクノロジーサイクルを乗り越えてきました。
TCSは、人々の健康、サステナビリティ、さらに地域社会のエンパワーメントの促進に重点を置き、TCSニューヨークシティマラソン、TCSロンドンマラソン 、TCSシドニーマラソンなど、世界で最も権威ある14の都市マラソンおよび耐久レースをタイトルスポンサーとして支援しています。2025年3月31日を期末とする会計年度において、TCSの連結売上高は300億米ドルに達しました。
TCSの詳細についてはwww.tcs.com をご覧ください。