18か国、800名以上の小売業界の経営層を対象とした調査「TCS Global Retail Outlook 2026」
小売業界のデジタル変革とAI導入の方向性を示す、新たな知見と最新動向
このページは、2026年1月29日(現地時間)、米国ニューヨークならびにインド・ムンバイで発表されたプレスリリースの日本語訳です。発表内容の詳細は原文をご覧下さい。
ニューヨーク | ムンバイ、2026年1月29日:タタコンサルタンシーサービシズ(TCS)が発表した最新の調査により、小売企業の経営層は、AIが変革を支える重要な要素であると認識している一方で、大規模な展開には十分に至っていないことが明らかになりました。「TCS Global Retail Outlook 2026(小売業界の展望に関するグローバル調査 2026年)」によれば、多くの小売企業はエージェント型AI(自律型AI)への対応がまだ整っておらず、回答者の85%が、マルチエージェントAIシステム(複数のAIエージェントが協調して動作するシステム)の導入に着手していない、あるいは計画段階にも至っていないと答えています。
現在、自律的な意思決定にAIを活用している企業は24%にとどまりました。また、小売企業の51%が、チャットボットやバーチャルアシスタントといった基礎的なAI技術を最優先のAI施策としていることから、高度なインテリジェンス機能の導入や変革の可能性は、小売業界では依然として表層的な段階にあることが示されています。
本調査では、コスト最適化に続き、AIを活用したテクノロジーが2026年に向けた最も重要なケイパビリティの一つに位置づけられていることも明らかになりました。なかでも、市場の変化や競合他社の動きをリアルタイムで把握する能力が重視されています。
さらに、適応型AI(環境や状況の変化に応じて判断を最適化するAI)による意思決定ケイパビリティが、小売企業にとって重要度ランキング(全10項目)の第2位と第3位にランクインしました。加えて本報告書は、人材のスキルギャップを財務上の制約に次ぐ大きな課題として指摘されています。
主な調査結果:
*Demand Sensing: リアルタイムデータを活用して市場や顧客需要の変化を即時に捉える手法。
TCS 小売ビジネスグループ プレジデントのクリシュナン・ラマヌジャム(Krishnan Ramanujam)は、次のように述べています。
「今日の小売企業は、AIが今後の競争力を左右するだろうという認識を共有しています。しかし、その可能性を引き出せている企業はまだごく一部にすぎません。今回の調査が示す真の機会とは、局所的な試行段階から脱却し、バリューチェーン全体でAIを活用したインテリジェンスを組み込む体制へと移行することにあります。この転換を成し遂げた小売企業は、リアルタイムで学習し、適応し、対応できる、より洞察力の高い企業へと進化していくでしょう。TCSは、バリューチェーンに存在するギャップの解消に取り組むとともに、小売企業の次なる成長フェーズを切り拓くAI主導のソリューションを提供していきます」
本調査結果は、インテリジェントかつ体験主導型へと急速に移行する市場環境の中で、小売業界にはパラダイムシフトが求められていることを示しています。TCSが描くこの未来像は 「Perceptive Retail™(パーセプティブ・リテール)」と呼ばれ、AI、機械学習、およびマルチエージェントシステムを統合することで、小売企業が市場のさまざまな兆候を読み取り、オペレーションをリアルタイムで適応させ、バリューチェーン全体で意思決定を最適化できるよう支援するものです。尚、本調査は、企業レベルでAIを実用化するためにTCSが進めている、より広範な取り組みの一環として実施されたものです。
TCS 小売コンサルティング部門 グローバルヘッドのチーンタン・ヴォラー(Cheenttan Voraa)は、次のように述べています。
「小売業界は今、将来を左右する重要な分岐点に立っています。経営層は、今後の競争力を維持・強化するうえでAIが不可欠な技術であると認識していますが、多くの企業は、組織全体でAIを活用する段階にはまだ至っていません。部門や用途ごとに個別導入されたAI活用から、互いに連携し、状況を察知して意思決定できるシステムへと発展させるためには、テクノロジーへの投資だけでなく、AIに精通した人材への大胆な投資と、プロセスやオペレーティングモデルの刷新が求められます。TCSは、小売企業と綿密に連携し、お客さまがAI時代をリードできるよう支援していくことに全力で取り組んでいます」
本調査は、小売企業が、AIを活用した意思決定、製品・サービスの市場投入までのスピード向上、および業務プロセスの自動化を、短期的に業績に最も大きな影響を与えるケイパビリティと捉えていることを示しています。これらは、従来型のビジネス分析やインテリジェンスツールを上回る影響力を持つと見なされています。また経営層は、サイバーセキュリティやプライバシーへの対応に強い危機感を示しているほか、ロイヤルティ・プログラムの中に依然として活用されないまま蓄積されているデータの活用についても課題意識を抱いています。実際、こうしたデータを活用して、マーケティング施策のROIを可視化し、価格設定や商品・品揃えの計画に活用できていると回答した企業は、半数に満たない結果となっています。
本調査は、小売業界の主要5分野にわたる、18か国、800名以上の小売業界の経営幹部からの回答に基づいたもので、現在の小売業の変革を左右している事業運営上の課題を浮き彫りにしています。経営層は、市場の変化をリアルタイムで察知する能力と、適応型AIを活用した意思決定を、今後1~2年の最優先事項に挙げており、これは、小売企業がデジタルインテリジェンスと俊敏性(アジリティ)を切り離せないものと捉えるようになってきたことを示唆しています。
以上
タタコンサルタンシーサービシズは、世界の様々な業界を牽引する大手企業からデジタル変革およびテクノロジーパートナーに選ばれています。1968年の創業以来、最高水準のイノベーション、卓越したエンジニアリング、カスタマーサービスを提供してきました。
TCSはタタ・グループの伝統に根ざし、お客さま、投資家、従業員、そして地域社会に長期的な価値を創造することに注力しています。世界55カ国に広がるハイスキル人材と、世界各地に202のサービスデリバリーセンターを擁し、世界各地でトップ・エンプロイヤーに認定されています。TCSは、新技術を迅速に適用・拡張する能力を活かしながら、お客さまとの長期的なパートナーシップを構築し、適応力のある企業への成長と変革を支援しています。こうした関係の多くは数十年にわたり、1970年代のメインフレームから現在のAIに至るまで、あらゆるテクノロジーサイクルを共に乗り越えてきました。
TCSは、人々の健康促進、サステナビリティ、さらに地域活性化に重点を置き、TCSニューヨークシティマラソン、TCSロンドンマラソン、TCSシドニーマラソンなど、世界で最も権威ある14の都市マラソンおよび耐久レースをタイトルスポンサーとして支援しています。2025年3月31日を期末とする会計年度において、TCSの連結売上高は300億米ドルに達しました。
TCSの詳細については、www.tcs.comをご覧ください。